出版社内容情報
【人間主体の社会変革とNGOの地平】地域に生きる子どもと親と住民の視点!「民」主体の社会をめざす住民とNGOの実践を通じ、教育開発の新たな可能性と課題を検証する。
いま日本では「教育改革」が叫ばれている。しかし、文科省が巨費を投じて配布する『心のノート』にみられるように、その「改革」は子どもたちの心を反映したものではなく、政府による「上からの押しつけ」にとどまっている。 本書は、「内発的発展」、すなわち人々自身の内側からなされる社会変革へ向けた教育こそが求められているという視点に立ち、教育研究者、NGO関係者、教育開発の専門家、民衆教育の実践家たちなど20人の執筆者が、国際教育協力の実状を紹介し、その課題と展望を考察するものである。世界各地で、地域に生きる子どもと大人の真のニーズに基づき、住民自身がNGOや民衆組織と共に取り組む個々の教育実践が紹介される。そこからは、いまコミュニティの再編成が切実に求められていること、人々自身の主体的な関与からこそ教育の未来が開かれることが明らかとなる。また、NGOの立場からの発言や、教育開発の根源的課題を考える理論的アプローチなど、多彩な考察が編まれた本書は、「上からの」ではない、「人々自身の教育」を実現するための最良の道標といえる。
内容説明
地域に生きる子どもと親と住民の視点。NGOや民衆組織による「人間のための」教育づくり。個別地域の住民による多様な取り組み、NGOや民衆組織の理念と実践、「教育開発」の根本原理を追究する認識論的アプローチ。
目次
二一世紀における教育の発展―人間解放を目指して
第1部 世界の教育現実(アジアの人々と教育(1)―アフガニスタンからの報告
アジアの人々と教育(2)―東北タイ(イサーン)からの報告
アフリカの人々と教育―ガーナにおける国際NGOの動向 ほか)
第2部 「民」主体の教育への協力―NGO活動を中心として(アメリカNGOの教育協力;ヨーロッパNGOの教育協力;日本のNGOの教育協力 ほか)
第3部 地球に生きる―人間のための教育を求めて(権利と行動の主体としての子ども―インドの子どもたちとNGOの取り組み;「ジェンダーと開発(GAD)」から見た教育―エンパワーメントに向けて
ラテンアメリカにおける民衆教育の歴史と思想 ほか)
著者等紹介
江原裕美[エハラヒロミ]
帝京大学法学部助教授。国立女性教育会館客員研究員。比較教育学、ラテンアメリカ地域研究専攻
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あゆさわ