出版社内容情報
【倒された巨像の謎】地球上で一番遠い島と呼ばれているこの絶海の孤島で演じられた悲劇とは!?島の成立から崩壊に至るミステリアスな歴史が現代社会に問いかけるものとは。
イースター島のモアイ像について知ってはいても、あの奇怪な石像が全て倒されていたことを知る人は少ない。なぜ、倒されてしまった のか、島にまつわる、もろもろのミステリーの解明に筆者は取り組んだ。さらに、謎の解明はこの島に止まらず、南太平洋、南米、日本に 跨がる文化史的な史実にも波及する。 そして、ミステリーの定番であるモアイ像(伝説、製造、運搬、倒壊、戦争)、コハウ・ロンゴ・ロンゴ(謎の未解読文字)、鳥人儀式(伝説 、慣習)、モアイ・カバ・カバ(謎の木彫人形)など、神話・伝説も含めて、この島のミステリーをあらかた網羅している。 ストーリーは、さらに、彼ら(イースター原住民)の祖先は何処からやって来たのか、検証はポリネシア人の植民航海時代から始まってヨ ーロッパ人による大航海時代に至る南太平洋の諸相を描いている。また、縄文人とポリネシア人や南米先住民との関係を、あながち無関係 ではないという可能性を示したり、ノルウェーの学者トール・ヘイエルダールの先住民南米渡来説に対し、南米交流説を検証している。ほかに、ムー大陸の謎なども取り上げた。ここから歴史はさらに遡及して、ポリネシア人の祖先であるモンゴロイドの足跡を辿る。たとえば 、定説では南米の先住民族はモンゴロイドがベーリング海峡を渡って北・南米大陸に拡散したことになっているが、南太平洋経由で海を渡 って植民したのではないかという可能性も示している。また本書では、ゴーギャン、サマセット・モーム、メルビル、ピエール、ロティ、 司馬遼太郎、チャールス・ダーウィンなどの書いたものを色々な場面で傍証として引用している。 「地球上で一番遠い島」と呼ばれているこの絶海の孤島で演じられた悲劇とはどんなものであったのか、外界と全く隔絶された社会で作 られた島の成立から崩壊に至る歴史をたどるとき、ミクロコスモスとしての島の歴史は、民族、国家、ひいては地球の将来を暗示していな いか、これは、現代社会に対する警鐘として、われわれにも問われている問題である。 本書は、筆者がチリに駐在したときに訪れたイースター島の出来事をノンフィクション・ノベル風にまとめたものである。
内容説明
「地球上で一番遠い島」と呼ばれているこの絶海の孤島で演じられた悲劇とはどんなものだったのか。島の成立から崩壊に至るミステリアスな歴史が現代社会に問いかけるものは何か。
目次
第1章 イースター島へ
第2章 遺跡を訪ねて
第3章 モアイ
第4章 謎の未解読文字
第5章 島の歴史
第6章 目撃者たち
第7章 終章
著者等紹介
鈴木篤夫[スズキアツオ]
1938年(昭和13年)生まれ。茨城県出身。1960年、東京水産大学卒、民間会社勤務を経て、1994年、JICA派遣専門家として、チリ共和国経済省水産次官官房勤務。在職中、スペイン(ラス・パルマス)、カメルーン(ドアラ)、ナイジェリア(ラゴス)、アルゼンチン(ブエノスアイレス)、チリ(サンチアゴ)に駐在勤務。現在、法廷通訳人(スペイン語)
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