聖王ルイ

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  • サイズ A5判/ページ数 1224/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794805300
  • NDC分類 288.493
  • Cコード C0023

出版社内容情報

「記憶」はいかに生産されるか?中世フランスの国民的人物の全体史を通して記憶・歴史,言説・現実,権力の関係を解明し,「伝記」の新しいモデルを構築した歴史学的伝記の金字塔。
本書は、「新しい歴史」や歴史人類学の旗振り役と見なされてきた著者が、20年以上にもおよぶ準備を重ねて1996年に完成させた、巨大な歴史学的伝記である。 聖王ルイとは、13世紀フランス王であるルイ9 世であるが、その死後わずか30年たらずで、教会から正式に列聖されたという特異な存在でもあった。歴代の王のなかでもっとも大きな人気を博する存在で、いわばフランス史上の最も著名な人物である。 この大河ドラマ的主人公を相手に、アナール学派の代表的な人物が伝記を書くという行為は、一見奇妙に感じられるかもしれない。20世紀歴史学、とりわけアナール学派は、政治史上の大人物を主人公とする事件史を激しく排斥して、社会経済史、心性・人類学的歴史など、より「深層の」歴史研究を標榜してきたからである。 著者は、ブルデューやレーヴィなどによりながら「伝記」それ自体の言説構造を問うとともに、「全体史」に関わる方法論的考察を繰り広げた上で、歴史学的「伝記」の、あるモデルを実践している。しかしながら、本書の「現代性」は、むしろ「記憶と歴史」の問題系により鮮明に現れているように思える。本書で繰り返し吟味される「トポスのなか聖王ルイ」は、言説上の問題であるとともに、より直接には「権力」の問題でもあり、さらには、言説と現実との間の問題でもあった。その他にも、現代の歴史学の基礎そのものが問われているようにも見える箇所が少なくない。 そして最後に本書は、むつかしいことは抜きにして「読んで面白い」。近代西欧形成の準備過程でも、近代批判のための材料としての「冷たい社会」でもない、奇妙でありながらも特有のかたちで洗練されたある文明の姿を味わうことができる。

内容説明

中世フランスの国民的人物の全体史。記憶・歴史、言説・現実、権力の関係から「伝記」のモデルを構築。

目次

第1部 聖ルイの生涯(誕生から結婚まで(一二一四~一二三四)
結婚から十字軍まで(一二三四~一二四八)
十字軍と聖地滞在(一二四八~一二五四) ほか)
第2部 王の記憶の生産―聖ルイは実在したのか(公式史料の王;托鉢修道士聖人伝作者の描いた王―刷新されたキリスト教の聖王;サン=ドニの王、王朝と「国家」の聖王 ほか)
第3部 聖ルイ、理想的で比類なき王(空間と時間のなかの聖ルイ;図像とことば;語りと身振り―貴紳王 ほか)

著者等紹介

ル・ゴフ,ジャック[ルゴフ,ジャック][Le Goff,Jacques]
1924年トゥーロンに生まれ、ウルム街の高等師範学校に学ぶ。プラハ、オックスフォード、さらにはローマ留学を経て、1954年リール大学助手、1960年パリの高等研究院第六部門講師、ついで同研究院指導教授。1972年同研究院長、さらに1975年の同研究院の社会科学高等研究院への改組に際しては指導的な役割を果たした。『アナール』誌編集に長く携わり、現代歴史学の刷新に大きな影響力を振るった。メディア等での教育・啓蒙活動やヨーロッパ統合運動へも積極的に関わっている。研究領域は広大で、『中世の知識人』(邦訳、岩波新書)をはじめとする学問の社会史、『フランス中世文明』(未訳)や『中世的想像力』(抄訳、名古屋大学出版会)などの歴史人類学、学知と人類学の総合ともいえる『煉獄の誕生』(邦訳、法政大学出版局)など、二〇世紀の歴史学にその名をとどめる問題作を、次々と発表してきた

岡崎敦[オカザキアツシ]
1957年京都市生まれ。九州大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士後期課程中退。1990~93年フランス政府給費生としてパリ第一大学に留学。現在、九州大学大学院人文科学研究院助教授。フランス中世史、教会史専攻

森本英夫[モリモトヒデオ]
1934年横浜市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科仏語仏文学専攻博士課程修了。現在、甲南女子大学文学部教授。フランス言語学、中世フランス文学専攻

堀田郷弘[ホッタサトヒロ]
1933年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科仏語仏文学専攻博士課程満退。1993~94年パリ大学交換研究員として在仏研究。現在、早稲田大学人間科学部教授。フランス文学、文化専攻
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