出版社内容情報
【国際協力と子どもたちの未来】開発と文化のあり方を考えるもう一つの視点!大手国際協力機関による教育開発活動を検証し,その歴史的変容と思想的オルタナティヴを提示。
発展途上国の教育はどんな問題に直面しているのだろうか。そこで国際協力・援助はどのように行われているのだろうか。また、教育がそれぞれの場所の歴史や社会的状況の根ざして作られていくものであるとすれば、「近代化」を目指す国際協力・援助は対象地域にとってどのような意味を持つのだろうか。 本書はこのような疑問から、最大手の開発援助機関である世界銀行や国連機関をとりあげて実際の教育開発活動について検証を試みると同時に、その歴史的な変遷と開発のもつ思想的な意味にも迫ることを目的としている。
内容説明
「教育開発」とは開発協力における教育分野を指し、さまざまな国際協力機関により発展途上国の教育の整備・発展を支援する諸活動をいう。既存の欧米開発モデルに従うだけの教育から、多様な国や地域、文化のコンテクストに基づき住民自身が主体となった教育環境の構築へ向け、いま、新たな「教育開発」が求められている。“開発と文化を問う”もう一つの視点。大手国際協力機関による「教育開発」プロジェクトの実際。
目次
第1部 開発と教育の歴史と担い手(開発と教育の歴史と課題―アメリカ「開発教育」の足跡をめぐって;教育開発のオピニオンリーダー―国連機関;世界銀行と発展途上国への教育協力―最強の資金融資・政策提言の機関として)
第2部 教育協力の現状と実例―世界銀行を中心に(世界銀行の教育協力のプロセスと実務―グローバルな教訓と最新の情報を活かして;世界銀行の教育協力理念と政策―開発理論と現実の狭間に漂う政策変遷の回顧と展望;アジア地域への教育協力―アジア開発銀行と教育開発・改革をめぐる「政治経済学」の構想;アフリカ地域への教育協力―貧困削減、そしてさらなる発展のために;ラテンアメリカ地域への教育協力―小さなラテンアメリカ社会「米州開発銀行」(IDB)とその教育協力)
第3部 教育開発の論点と今後の展望(教育投資における優先順位の決定と世界銀行―収益率分析とクロスナショナル分析の成果と限界;世界銀行の教育地方分権化政策のジレンマ―アメリカ教育改革の潮流が示唆するもの;教育開発戦略の行方―世界銀行とユニセフの政策報告書の比較から;基礎教育の開発10年間の成果と課題―ジョムティエンからダカールへ;教育開発の新たなビジョンを求めて)
著者等紹介
江原裕美[エハラヒロミ]
帝京大学法学部助教授。比較国際教育学、ラテンアメリカ地域研究専攻
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