出版社内容情報
【生物学的侵入をとく】人為による侵入生物が,原産の生物より勢力を増し,その土地特有の生態系を変化させてしまったり,絶滅に追いやられる!豊富な事例で,実態に迫る。
今日、世界はぐんと小さくなり、見回せば私たちの身の周りにも遠い外国の動植物がごく普通に存在している。部屋の中の水槽では熱帯魚が泳ぎ回り、ベランダにはハーブが育ち、望み次第でタランチュラまでペットとなる。ところが、このように多様性を簡単に楽しめることの裏側には、恐ろしい事実が姿を現わす。「種の絶滅」だ。 人間の手によって移入、あるいは人間の手を借りて侵入してきた魚や鳥や動物、植物が原産の生物より勢力を増し、その土地特有の生態系を変化させてしまったり、国産種を絶滅に追いやってしまう現象は世界のあちこちで見られる。ドイツでこの分野では初めて一般読者を対象に出版された本書には、このような例が数多く綴られている。
内容説明
アフリカ最大の熱帯湖であるヴィクトリア湖の淡水魚シクリッドは、たったバケツ一杯のナイルパーチという魚の放流がもとで絶滅に追いやられてしまった。「種の絶滅」の実態に迫る。
目次
新旧植物について
モアとマオリ―巨大鳥の最後
水面下
キラー海藻とクシクラゲ、そしてバラストがかける負担
速くて強い―魚
レセップスのミグレーション
「放浪」アリ
自然のヘルパー
絶滅
生態系の変化
植物が反応するまで―「タイム・ラグ」と「テンズ・ルール」
アキレス腱―特別敏感な生態系は存在するか
セラピー
点滴下の自然
トランスジェニック侵入者
著者等紹介
ケーゲル,ベルンハルト[ケーゲル,ベルンハルト][Kegel,Bernhard]
1953年生まれ。生物学博士。現在は、作家としてベルリンで執筆活動に専念。これまで、生物学の知識を生かした小説を発表したりしてドイツで様々な賞を受賞している
小山千早[コヤマチハヤ]
1963年、三重県志摩郡生まれ。日本大学短期大学部国文科卒業。1989年、結婚を機に渡瑞。1994年にゲーテ・インスティトゥートの小ディプロム(Kleines Sprachdiplom)を取得し、翻訳活動を始める
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