出版社内容情報
【文化解釈学の視点から】スクリーンに映し出される映像の背景に隠されているものは何か?製作者の仕掛けや意図は?視聴者から批評者へ,「メディア・リテラシー」の試み。
時代はテレビの多チャンネル時代。デジタル革命、IT革命と歩調を合わせ、優良メディア・コンテンツの奪い合いが始まっている。映像の新世紀の到来である。そこで人気の番組といえば、映画とスポーツである。そもそも、映画には動きが必要である。そのため、映画はその初期から人間の運動と密接に結びついていた。サイレントの時代はもちろんトーキーの時代になっても、さまざまなスポ-ツドラマ映画が製作されてきた。このような映画に描かれたスポーツは、その時代のスポーツ観を反映している。つまり、製作者たちのスポ-ツイメ-ジや意図が、そこに反映されているのである。それは時代に優勢なスポ-ツ哲学の反映でもある。 本書は、スポ-ツが映画の中でイメージ化されていくその多様な方向を、大きく5つに分類して、読み解きのための手がかりを提供しようとしている。スポーツコメディなどにみる喜劇化、オリンピックを目指した理想化、ベースボール映画を典型とする夢想化、現実社会と結びついた目的化、そしてオリンピックの公式記録映画にみる記録化、という5つの方向である。 メディアが提供する映像を単なる視聴者として享受するだけでなく、批判的に読み解き、よりよい発展をともに目指していく眼や能力をみにつけるための本である。
内容説明
スクリーンに映し出される映像の背景に隠されているものは何か?製作者たちの仕掛けや意図は?視聴者から批評者へ…「メディア・リテラシー」時代の到来。本書は、スポーツを主たる内容とする映画を取り上げ、それらを豊かに幅広くかつ深く観ていくための視点について考えている。
目次
序章 幕が開く前に
第1章 喜劇化されるスポーツ
第2章 理想化されるスポーツ―スポーツ映像の中にみるオリンピズム
第3章 夢想化されるスポーツ―ベースボール映画の象徴論
第4章 目的化されるスポーツ―現実社会との接点
第5章 記録化されるスポーツ―オリンピック大会のドキュメンタリー映像
結章 スポーツ映像の文化解釈学―一般的フレームワークの構築