出版社内容情報
【自発性・共同知・共同性の統合の論理】失われた地域社会の活路を東西文明の人間的諸活動から学ぶ。壮大な人類史のなかで捉えるコミュニティ形成の論理とその可能性。
本書は成熟社会が活力を取り戻す鍵は、これまで只乗りしてきた地域社会に積極的にコミュニティを形成することであるという立場から、文明史におけるコミュニティの形成を整理したものである。 中でも、従来の近代史はコミュニティ解体の過程として書かれてきたが、あえて視線を変えて、解体され、バラバラにされたコミュニティの諸契機である自発性、共同知、共同性とその後の歩みをたどってみた。それは市民社会を下支えするコミュニティに必要なものを目的意識的に考えるきっかけになると思われるからである。特に共同知の分野は今もコミュニケ-ションの進歩によって多様多彩に展開しつつある。それは個性的なライフスタイルを持つ現代人のニーズに応えるコミュニティの創造の可能性をもたらしている。
内容説明
浮き上がった社会を自然に埋め戻し、浮き上がった経済を社会に埋め戻し、浮き上がった人間をコミュニティに埋め戻す。これが、人類が生きのびるための課題である。壮大な人類史の中で捉えるコミュニティ形成の論理。
目次
1章 都市の誕生とコミュニティ
2章 中世都市と宗教的・社会的・経済的コミュニティ
3章 近代化と人間的コミュニティの模索
4章 東アジア(中国と日本)の立場
5章 人間的コミュニティに向かって