出版社内容情報
大杉栄,魯迅,ウェーバー,シュミット,ベンヤミン,ホルクハイマー他,20世紀前半の10名の政治・社会思想家を取り上げ,現代の様々な危機的状況に新たな分析手法を加える。
内容説明
戦争と革命、植民地主義、帝国主義、全体主義、民族浄化と難民(亡命)、合理化の進展の帰結としての意味喪失と自由喪失、核戦争、経済危機、環境破壊等々―。本書は、20世紀前半―とくに1930年代―のこのような危機によって触発されたり、あるいはそれへの対応として結実したりした10名の政治・社会思想家を扱った論稿からなっている。
目次
名あて人なき民主主義―大杉栄における「生命」と「主体」
魯迅の最後の論戦―1930年代左翼作家連盟において
マックス・ヴェーバーにおける政治的なものと倫理的なもの
カール・シュミット―市民的法治国家の憲法理論
ヴァルター・ベンヤミンの政治思想・素描―暴力と解放 救済史
批判理論と意味への問い―ホルクハイマーにおける「制作知」の論理をめぐって
戦間期のレオ・シュトラウス―「政治的なもの」との出会い
A・コジェーヴ―闘争・労働・死
ヨーロッパ文明の危機と政治哲学―R・G・コリングウッド『新リヴァイアサン』再考
ハロルド・J・ラスキと自由主義