出版社内容情報
《スピノザがヘーゲルを徹底して批判する。逆ではない!》ヘーゲルによって包囲されたスピノザを解放し,両者の活発な対決,確執を浮彫ることで混迷の現代思想に一石を投ず。
目次
序 あれかこれか
1 スピノザの読者ヘーゲル
2 幾何学的方法
3 属性の問題
4 すべての規定は否定である
感想・レビュー
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良書。著者はアルチュセールに学んでいた人。ヘーゲル(だけでなくドイツ観念論)の震源の1つはスピノザの発見である。ヘーゲルもスピノザに対して様々な箇所でその思想を論評言及しているが、それの誤読を指摘しつつヘーゲルと対比したスピノザの可能性をあぶり出す本。マルクス主義全盛の時代の本なので弁証法の概念をスピノザを経由してねじ曲げようという厄介な本ではあるが、比較的明晰に論旨を運んでいて、哲学書にありがちな有耶無耶な論調ではなかった。無限な神と有限な我々の世界。神を前提にすると物事を知るとは神の視点に立 2021/07/08