出版社内容情報
“生の哲学者”ベルクソンの思想の到達点を示し，ジャンケレヴィッチ哲学の独創的出発点をなした名著。初版では割愛された二論文と「最近のベルクソン研究動向」を追補収録。
内容説明
哲学史の宇宙における哲学者同士の類稀れなる出会い。初版では割愛された「補論ベルクソンとユダヤ教」および「結論魂全体と一諸に」を訳出し、新たに、付論として「最近のベルクソン研究動向」の新稿を加えた文字通りの完訳決定版である。
目次
第１章 有機的全体
第２章 自由
第３章 心と身体
第４章 生命
第５章 英雄的行為と聖性
第６章 概念の無と精神の充満
第７章 単純性そして歓びについて
補論 ベルクソンとユダヤ教
結論 魂全体と一緒に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雁林院溟齋居士（雁林）
2
ベルクソン自身からお墨付きを貰っている包括的な研究書。内容もさることながら何と言ってもそれ自体が或る種のベルクソニスムの実践であるような、その「音楽的」な言語表現に特色がある。ベルクソニスムを無の徹底的な拒否、そして絶えざる生成、異化作用、詰り創造的進化を続ける充満的で無媒介な直接与件の有機的哲学として捉えており、明らかに知性や科学よりも感情や意志、精神を重視していて、一つの正統的な解釈だと思わせる。ギュイヨー、ルヌーヴィエ、ショーペンハウエル、ライプニッツ、スピノザ等と比較しながら論じている所も興味深い2012/11/04
