出版社内容情報
【芸術と権力をめぐる52の断章】異質なものを混交させ独自の音楽空間を創造してきたロシア。苦難の創作活動を生き抜いた一作曲家のユーモアとイロニーに満ちた私的回想録。
内容説明
過去‐現在、西欧‐ロシア、伝統‐前衛。異質なものを混交させ独自の音楽空間を創造してきたロシア。苦難の創作活動を生きぬいた一作曲家の、ユーモアとイロニーに満ちた私的回想録。
目次
わたしはいかにして『グライダー名誉飛行士』になったか?
サロン・コンサート
演劇はクロークからはじまるのか?
ありふれた鉄の棒のせいでどんなことが起こりうるか?
最初のレッスン
ポエーザ
そんな時代もあった…
第四章
教育過程
スケルツォ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
leppe
3
一編につき数ページ程の断章が最初から終わりまで並べられ、個々の断章の直接的な繋がりは薄い。ただその一つ一つがいかにもソ連時代の音楽家らしい、滑稽さ、体制批判、見え隠れしており、特にクラシック音楽や現代音楽に詳しくなくとも、面白く読める。 訳者解説の『ドストエフスキーの「自由かパンか」を問う大審問官は、決してロシアにおいては(そして日本でも)過去の物語ではない。』といったくだりは確かにその通り。ちなみに翻訳は読みやすく、日本語として意味がとれないところはほとんどなかった。2015/09/02