出版社内容情報
【専制官僚国家の生成と崩壊】「水力的」という概念から,専制官僚制・全面的権力国家の構造とその系譜を分析。社会主義崩壊に新たな視座を与え,旧ソ連・中国の将来を予見。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Saiid al-Halawi
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歴史的に封建制を経験しなかった水力社会における強力な官僚的専制政治に関する巨視的な考察。水力社会とは大規模な治水事業(公共事業)を行えるほどの労働集約的な動員力、政治的な求心力を持った社会のこと。欧米以外はほぼ広く、征服以前の中南米でさえこの研究の対象になっている。日本は欧州と近い封建社会が発展したために、アジアに位置していても例外的に水力社会にはあたらないらしい。終章は刊行時の時代を感じさせる内容。解説なし。訳がずさんなのと併せて改訂版が欲しいところ。2012/01/13