内容説明
価値ある特別な人間だということを証明しようとして、「わたし」はアイデンティティ・ゲームにはまりこむ。ゲームへのはまり方が尋常でない分、「わたし」は激しくズレる。「わたし」の物語はこうして始まる。
目次
第1章 人は存在証明に躍起になる
第2章 脱色された社会から色彩のある社会へ―メルティングポット、サラダボール、そして…
第3章 私から身体を差し引く―昨日までできたことが今日はもうできないという体験からそれは始まる
第4章 ヒーリングを買う―心理的幸福術+α
第5章 逸脱の政治―スティグマを貼られた人々のアイデンティティ管理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカヅキカゲリ
1
最近読んだものたちにけっこう出てきたので。凄く善かった。2012/11/30
inuki54
0
存在証明の社会学ということで、難しそうな内容だなと思ったが実際なかなかに難しい内容だった。とはいえかなり読み応えのあるいい本だったと思う。差別される側と存在証明、差別する側との存在証明について扱った章では思わず唸ってしまった。障害者と介護者の関係についても考えさせられた。絶版になっていたので図書館で借りたが、手元に置いてもっと読み込んで理解を深めたくなった。出版社に問い合わせしてみようかな。2022/02/11
YASU
0
人はだれでも自己の存在証明に躍起となる.スティグマを貼られた人々は,反感・嫌悪・侮蔑から脱するためにアイデンティティ・ゲームの中を生きる.それは内向きのナルシシズムに陥る危険性と,全的な人間解放へ向かう可能性を併せ持つと.今でいう当事者研究にも通じる内容だ.すでに30年前の著作だが.2021/05/07