出版社内容情報
不況下において財政刺激策をとるか緊縮財政をとるかは、人々の健康、生死に大きな影響を与える。世界恐慌から最近の「大不況」までの各国の統計から、公衆衛生学の専門家が検証した最新研究。「国民の生死」という厳然たる事実から答えを導く一冊。
不況下において財政刺激策をとるか緊縮財政をとるかは、人々の健康、生死に大きな影響を与える。世界恐慌から最近の「大不況」までの各国の統計から、公衆衛生学の専門家が検証した最新研究。長年の論争に、イデオロギーではなく、「国民の生死」という厳然たる事実から答えを導く一冊。
緊縮財政が著しく国民の健康を害して死者数を増加させるうえ、景気回復も遅らせ、結局は高くつくことを論証する。
・各国の経済政策の違いによる「自然実験」で検証
・政策の失敗によりロシアでは数百万人の男が死んだ
・医療費削減でHIV、結核などが蔓延し世界的脅威に
・国民皆保険制度がないと医療費はかえって上昇する
・福祉依存度を下げる失業対策ALMP とは?
・IMF が財政危機の各国に課した緊縮策の悲惨な結末
・失業率上昇を自殺率上昇に結びつけさせない方策
【著者紹介】
オックスフォード大学政治経済学・社会学教授。公衆衛生学者。公衆衛生と政治経済との関係を研究している。
内容説明
緊縮財政が、国の死者数を増加させていた!世界恐慌からソ連崩壊後の不況、アジア通貨危機、さらにサブプライム危機後の大不況まで、世界各国の医療統計データを公衆衛生学者が比較・分析した最新研究。
目次
第1部 過去の「自然実験」に学ぶ(ニューディールは人々の命を救ったか;ソ連崩壊後の死亡率急上昇;アジア通貨危機を悪化させた政策)
第2部 サブプライム問題による世界不況に学ぶ(アイスランドの危機克服の顛末;ギリシャの公衆衛生危機と緊縮財政)
第3部 不況への抵抗力となる制度(医療制度改変の影響の大きさ;失業対策は自殺やうつを減らせるか;家を失うと何が起こるか)
不況下で国民の健康を守るには
著者等紹介
スタックラー,デヴィッド[スタックラー,デヴィッド] [Stuckler,David]
公衆衛生学修士、政治社会学博士。王立職業技能検定協会特別会員。イェール大学、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学などで研究を重ね、現在、オックスフォード大学教授、ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院(LSHTM)名誉特別研究員。オックスフォード在住
バス,サンジェイ[バス,サンジェイ] [Basu,Sanjay]
医師、医学博士。オックスフォード大学大学院にローズ奨学生として学ぶ。現在、スタンフォード大学予防医学研究所助教、また同大学にて疫学者として従事。サンフランシスコ在住
橘明美[タチバナアケミ]
英語・フランス語翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒
臼井美子[ウスイヨシコ]
英語・フランス語翻訳家。大阪大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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