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死者を弔うということ―世界の各地に葬送のかたちを訪ねる

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794220592
  • NDC分類 385.6
  • Cコード C0098

出版社内容情報

人はどのように「人の死」を扱ってきたのか。世界各地を訪ね、その多様な姿を見つめる傑作ノンフィクション!

自身の父親の死を契機に、フィナンシャルタイムスのベテラン記者だった著者は、世界各地にさまざまな「葬儀」の姿を訪ね歩いた。文化や社会によってきわめて多種多様なかたちをもつ儀式の歴史的経緯もたどりつつ、人間にとっての「死」と「死者」の意味を問う。ルポルタージュ風に綴られた文章は読みやすく臨場感があり、多様な死の儀式を追体験するうちに、いつか私たち自身の「死」に思いをいたらせてくれる好著。

「嘆き」のかたち 激しい悲しみの感情/感情を抑え込むイギリス人/涙を流すことの効用/死者への哀惜と「音楽」
「火葬」のかたち 壮麗な火葬儀式・バリ/実用一辺倒の現代的火葬/火葬に対する反発/まるで工場ラインのように・バラナシ
「遺体」のかたち 死者を展示する・シチリア/着飾った遺体を公開する/エンバーミングの技法/マネキン人形のように
「棺桶」のかたち アート作品のような棺/エコロジカルな棺/早すぎる埋葬
「死後の旅路」 来世のための紙幣・香港/死者のための結婚式
「骨」のかたち 死者の帝国・カタコンベ/遺体を掘り起こす儀式/人骨で飾られたもの/故人の遺髪をもつということ/骨壺を捨てるとき

【著者紹介】
作家、ジャーナリスト。元フィナンシャルタイムズの記者。ニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなど多数の紙誌にも寄稿。著書には「食」の多様性をを取り上げたMOVEABLE FEASTS がある。

内容説明

自身の父親の死を契機に、フィナンシャルタイムズのベテラン記者だった著者は、世界各地にさまざまな「葬送」の姿を訪ね歩いた。文化や社会によって死のとらえ方、悲しみ方、儀式のあり方はきわめて多種多様なかたちをもつ。それらの歴史的経緯もたどりつつ、人間にとっての「死」と「死者」の意味を問う。紀行文のように綴られた文章には臨場感があり、多様な死の儀式を追体験するうちに、私たち自身の「死」のあり方を考えさせてくれる。

目次

父の死
嘆き―イラン、涙の壷
炎の陶酔―バリ、美しい炎上
怖ろしい静寂―シチリア、死の展示
箱の中―ガーナ、夢みる棺
永遠への旅支度―香港、来世への錢別
豚を育てる―フィリピン、集い合い
異国の片隅―カルカッタ、望郷の眠り
骨そして骨―チェコ、とある礼拝堂
再会―メキシコ、オアハカの祭壇で
最終章―小さくきっちりの荷造り

著者等紹介

マレー,サラ[マレー,サラ] [Murray,Sarah]
作家、ジャーナリスト。元フィナンシャルタイムズの記者。ビジネス・社会・環境の論者としてニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなど紙誌にも寄稿。執筆や取材で訪れた国は二十か国を超える

椰野みさと[ヤノミサト]
早稲田大学第一文学部卒。英語教育系出版社勤務をへて、現在は学術書を中心にした編集職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

62
女性ジャーナリストが父親の死を契機に各地の葬送を訪ねる紀行。世界には文化や社会を背景に様々な弔い方がある。タイ中部では遺体に涙が落ちるのを不吉とし、ロシアでは子を亡くした母親が激しく泣くと魂を傷つけて天国に昇れなくなるので涙はタブー。ヒンドゥー教徒の魂を肉体から離そうと頭蓋骨を砕く火葬の現場や風葬、鳥葬、さらには棺や副葬品、墓や埋葬法まで、文化人類学者のフィールドワークのようである。生き埋め恐怖症から埋葬前に心臓を摘出したショパン、死後3日間は埋葬を禁じると遺言したジョージ・ワシントンのエピソードなども豊2018/04/12

イノ

16
著者の父が亡くなった事とユニークな遺言と記者として世界の弔い方と自分の事を見つめる旅日記。 弔うとは別れの儀式。バリでは盛大に祭り、インドでは妻も一緒に!?  お盆のような風習も世界中にあるのも興味深い。 別の本で知った日本的な習慣に見えるエンバーミングがなぜアメリカで浸透してるのか、周りの評価も知れた。 骸骨が累々と並んでいるカタコンベって土葬する場所が無いから前の掘り返してそこに移してどうせならアートに並べようって宗教的な要素皆無Σ( ゚o゚)2016/05/05

くさてる

16
さまざまな世界のなかで「人を弔う」ということは、どんな意味を持ち、どのように扱われてきたか。父を亡くしたイギリス人のジャーナリストが、そのことと向かい合いながら、バリ、シチリア、ガーナなどの弔いのかたちを取材し、そのなかで見つけたものについて語った内容。暗い内容ではあるけれど、死を扱うということは同時に生命をどう捉えるかということでもあることに気づかされる。情感に溢れているけれど甘くない文章で、興味深く最後まで読むことが出来た。個人的にはメキシコの「死者の日」にとても惹かれる。2014/07/29

niisun

15
ちょうど東日本大震災後に、国営の追悼施設を祈念公園として整備する計画づくりを担当していた時に出会った本。残念ながら当時はのんびり読書をしている時間がなく、文庫化されてようやく読むに至りました。ただ、私が期待したような学術的なものではなく、世界中を飛び回るジャーナリストである著者が、父の死をきっかけに、弔いのカタチを追い求める極めて個人的な思索の旅日記のようなものでした。最期は、理想とする自らの葬送のあり方が綴られており、著者自身のために書かれた文章に、長々と付き合わされたような気もしないでもないですね。2018/06/01

ののまる

13
どの章も興味深かったし、著者の幅広い知識・世界各国を見て回る行動力(ガーナでエンパイアステートビル型の自分の棺桶を注文!)、そして何よりも葬儀や墓を拒否して散骨を希望した父親の死をきっかけに、自身の死に方について、正直に素直に、ゆっくりと自分に問いかけながら洞察していく姿に共感した。研究書のような内容の濃さでありながら、ユーモアを交えたエッセイなので、一緒に旅して考えている気分。2015/07/24

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