出版社内容情報
痴情事件、色恋沙汰など正史には取り上げられない「異形の事件」にスポットを当てる。歴史好きにお勧めしたい、面白幕末維新小説。
幕末維新期とは、じつは、混沌、メチャクチャな時代だった。幕末の公家社会では関白が色恋沙汰で旗本に陰茎をちぎられ、戊辰戦争では官軍先遣隊の博徒たちが横暴の限りを尽くし、岩倉使節団の船中では士族が会津の女子留学生をナンパして裁判沙汰となり、陸軍病院では美女の陰部を医師たちが興味本位で解剖した。本書では、そんな正史には取り上げられない「異形の事件」にスポットを当てる。歴史好きにお勧めしたい、かつてない面白幕末維新小説である。
・美貌の娘を関白の妾に所望された旗本の悲劇 「薔薇の武士」
・幕末の京都で「テロの教科書」を書いた謎の志士 「英将秘訣のライター」
・戊辰戦争で官軍方の博徒に襲われた名家の夫人 「軍師の奥方」
・神仏分離をめぐる、神社勢力の恐るべき横暴 「木像流血」
・岩倉使節団の船内で女学生をナンパした士族を伊藤博文が裁く 「船中裁判」
・希代の毒婦・高橋お伝への恐るべき解剖実験の真相 「名器伝説」
・蝦夷の武士と、海岸に漂着したロシア女との悲恋を描く 「赤毛の人魚」
【著者紹介】
1937 年生まれ。文芸評論家。73 年『谷崎潤一郎論』で亀井勝一郎賞、80 年『江戸の歴史家──歴史という名の毒』でサントリー学芸賞、86 年『「源氏物語」を江戸から読む』で芸術選奨文部大臣賞、92年『江戸の兵学思想』で和辻哲郎文化賞、2003 年『幕末気分』で読売文学賞を受賞。近著に『慶喜のカリスマ』『幕末明治 不平士族ものがたり』がある。
内容説明
戊辰戦争でのヤクザたちの暴走、岩倉使節団の船中「猥褻」裁判、悪女・高橋お伝の名器解剖…語られることのなかった幕末維新の綺譚集。
著者等紹介
野口武彦[ノグチタケヒコ]
1937年東京生まれ。作家・文芸評論家。早稲田大学文学部卒。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念する。日本文学・日本思想史専攻。73年『谷崎潤一郎論』(中央公論社)で亀井勝一郎賞、80年『江戸の歴史家―歴史という名の毒』(ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞、86年『「源氏物語」を江戸から読む』(講談社学術文庫)で芸術選奨文部大臣賞、92年『江戸の兵学思想』(中公文庫)で和辻哲郎文化賞、2003年『幕末気分』(講談社文庫)で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろゆき
みるちゃん」
kabeo
TETSUYA
Tadasu Nunotani