内容説明
高浜虚子は、近代俳句の祖・正岡子規に兄事し、子規没後は「ホトトギス」を率い、俳句を国民的文芸に育てた近代最大の俳人。虚子が残した数多くの俳句から時候・行事に合わせて365句を選び解説。俳句の面白さ、骨法を伝える本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瀧ながれ
22
日付けとともに高浜虚子の俳句を一句づつ紹介する。読みながら思ったのが、虚子って俳句うめぇ!なんて小学生並みの感想なのですが、ほんとうに、ありふれた風景を、ふとした気持ちの揺らぎを、わずか十七音でピタリと静止画にする技術?言葉のセンス?なにかはわからないけど、すげえ!のです。たぶん同じことは誰もできない。ここ、という一点に視線を向けさせる言葉の選択と並べ方は、一ミリのずれで崩壊する繊細さ。テレビやなんか見てると、俳句は誰にでも作れるし鑑賞できると思っちゃいますが、それはそれとして、名人の作は次元が違うな。2020/11/18
yumiha
20
『子規に学ぶ・・・』よりも、チェックした句が多かった。子規よりもくだけた感じで読みやすいかな?「例の如く草田男年賀二日夜」「一匹の蠅一本の蠅叩」「バスの棚の夏帽のよく落ちること」「競べ馬一騎遊びてはじまらず」「先生が瓜盗人でおはせしか」「秋の蠅うてば減りたる淋しさよ」「落花生喰いつゝ読むや罪と罰」「鉄板を踏めば叫ぶや冬の溝」「闇汁の杓子を逃げしものや何」「女を見連れの男を見て師走」など、思わず吹き出しそうなおかしみ。解説も適切で高浜虚子の入門書にいいかも。2016/09/23