内容説明
女性と男性では胎児の頃から脳が違うが、女性はさらに思春期、母親期、熟年期にホルモンが激変して関心や行動が変わる。熟年期にはエストロゲンの急減で人の世話をやいたり人につくす意欲が低下するため、50代以上では離婚を言いだすのは女性のほうが多い。女性の脳に初めて焦点をあて、女性たちがより有意義な人生が送れるようガイドする、画期的な書。
目次
はじめに わたしたちは何によって女性になるのか
1 女性の脳の誕生
2 十代の女の子の脳
3 愛と信頼を求めて
4 へその下の脳
5 ママの脳
6 感情をくみとる
7 熟年女性の脳
エピローグ 女性の脳の未来
付録1 女性の脳とホルモン療法
付録2女性の脳と産後うつ
著者等紹介
ブリゼンディーン,ローアン[ブリゼンディーン,ローアン][Brizendine,Louann]
カリフォルニア大学バークレー校で神経生物学を学び、エール大学医学部をへて、ハーバード大学医学部で教える。現在はカリフォルニア大学の神経精神医学者。「女性の気分とホルモン」クリニックを創設し、女性の脳について広く啓蒙活動をおこなっている
吉田利子[ヨシダトシコ]
東京教育大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
17
読み友さんから。ていうか、こういう本をきちんと読んで奥様のことを想う読み友さんに惚れるわ、マジ。子どもの反抗期を「脳がしてることだから」と知識武装してきた自分ですが、まさか更年期後の女子の「フリー!!!」と雄たけびをあげる暴走も(母を含む周囲の女性の観察からです)脳内物質だったとは…。知っておいてほしくていちいち連れ合いに説明していたら、「大丈夫、どんなになっても愛してるから」…これはこれで愛情だもんなあ。ホルモンおそるべし。そしてホルモン治療もおそるべし。2017/05/29
二人娘の父
6
脳科学的に脳の性差を分析する。それ自体は科学として当然の仕事だし、意義のある研究だろうと思う。問題はそれを家庭内における男女の役割や、男女間の関係性の分析に直結させるのは「ちょっと違う」のではと思わざるを得ない。ましてやそれを「トリセツ」などと称して吹聴するのは愚か。本書は女性の人生における局面ごとに何が問題かという解決の糸口は理解できるが、すべてをステレオタイプに描くのはいかがなものか、というのが感想。私の理解は「脳もいろいろ、男女もいろいろ、ましてや男女に分けられない人もいる」ーこれが到達点。2021/02/19
Humbaba
5
男性と女性は完全に同じではない。性差別をすることは問題だが、それは違いを全く無いものとして扱えというわけではない。それぞれに特性があり、得手不得手がある。その違いを理解した上で、それぞれにとってメリットの有る方式を考えだすことが必要になるだろう。2014/01/15
くさてる
4
女性の人生を分泌される脳ホルモンの変化と共に解説した内容。とても分かりやすいので、かえってこんなに明解でいいのかなと思うほど。しかし、自分の身を振り返っても納得がいくし、これから到達するであろう時期のことを考えても、こういう知識があるとないとでは大きく違ったと思う。女の子を持つ親御さんは一読しておいて損はないのでは。2014/03/16
ひふみ
3
思春期、妊娠・出産期、更年期の女性のホルモン変化を解説している。産後独特の状況は女性ホルモンによる脳内麻薬状態であったと、自分の振り返りと解説が重なる。睡眠が細切れ3時間、肉体はヨレヨレ、なのに赤ちゃん可愛い!と思う多幸感は「普通」ではない。次は更年期の予習。男性と女性は身体が違うという事実は知って受け容れておく。明らかにして、諦めると摩擦やストレスを少なくできる。2017/01/05