にせニッポン人探訪記―帰ってきた南米日系人たち

にせニッポン人探訪記―帰ってきた南米日系人たち

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794206077
  • NDC分類 916
  • Cコード C0036

内容説明

多摩川に近いある自動車工場。その組立ラインで、南米から帰ってきた日系人たちと一緒に働いた著者は、奇妙な噂を耳にした。どこかに「ニセの日系人」がいるというのである。彼らは戸籍を偽造して日系人になりすまし、日本にやって来て働いているらしい。そのニセ者とやらはどこにいるのか。関心をもった著者は、噂をたよりに彼らを探しはじめた。ところが、話は思いがけない方向へと向かっていったのである…。平成二年の入国管理法改正によって日本に帰ってきた南米日系人たち。はるか遠くの異国の地で生まれ育った彼らと母国との再会は、「日本人」であることの意識をめぐる微妙な問題をもたらしている。独特のアプローチで日系人の本音に迫った異色ノンフィクション。

目次

序章 帰ってきたニッポン人
第1章 祖父、石井ひちさぶぅ
第2章 日系度100%の顔
第3章 ヒロヒトのおくりもの
第4章 ウチとソト
第5章 選ばれた民
第6章 たのしい日本語
第7章 うそつきは泥棒のはじまり
第8章 郷に入りては…
第9章 勲六等瑞宝章
第10章 百年のかげろう

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

5
 入管法の改正によって、大挙してやって来たペルーからの日系人たち。その大半はチーチャ(ニセモノ)だというのだが。  そして、日本人とは何かという問いへの最終解答は、わずか1枚の紙でしかなかったのである。2011/12/22

koji

3
日本で働く南米日系人のなかにチーチャ(ニセ者)が混じっている。 彼らと同じ工場で働き訪ね歩くうちに、高橋さんは本物とニセ者の違いがどんどん分からなくなっていく。 日系という重いテーマなのに、ユーモアを交えてこうサラリと読ませてくれるのが良い。なのに、軽すぎるという印象も受けない。 というか、高橋秀実ってスペイン語も英語もペラペラなのね。 面白かったです。2009/10/05

こっこ

2
★★★☆☆ 本書は2019年の現在より24年前の1995年に出版された。およそ四半世紀前になる。さらに遡ること五年前、時はバブルも終焉を迎える頃に「入管法」が改正され「外国人単純労働者」は閉め出されたが、「ニッポン人」の子孫には在留が認可されることになったとさ。そしたら今度は日本人の末裔たる南米の日系人たちが、ドッと出稼ぎにやってきたという訳さね。本書は彼ら「ニッポン人」たちのノンフィクション。例の「秀実流」の萌芽は既にして本書にも散見できるが、秀実氏、ちょっと苛ついていたりして、若いなと感じたりも→2019/11/29

ヨードー

1
若かりし頃の秀実氏には、あの脱力感はまだ無いようだ。2022/05/21

読書国の仮住まい

1
100年以上前にペルーに渡った日本人。 その子孫たちが入管法改正に伴い、日本人の名を名乗り渡日してくる。 どこまでがペルー人で、どこまでがニッポン人なのか。 調べていっても、その境はどこまでもあやふやだった。 高橋さん独特のユーモアはあまり感じられない。 若さ故か。 『一世が苦労し、二世が財産を築き、三世がそれを食いつぶしている』2020/02/09

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