内容説明
移民の二世としてアメリカの片田舎に生まれた少年は、農場で働き新聞配達をしながら、自分は動くマンガの世界で成功すると信じて疑わなかった。ハリウッドにひとり乗り込んだディズニーはどうやって生き延びたのか。綿密な取材によって隠されてきた素顔にはじめて迫る迫真の評伝。
目次
1 厳格な父と絵の好きな息子
2 永遠のカンザスシティ
3 人間になったネズミ
4 トーキーがもたらした名声
5 ハリウッドの英雄と悪漢
6 おとぎ話と父親ウォルト
7 成功の影につのる不満
8 新しい芸術表現を生んだ古い怒り
9 ぼくは一体誰なのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムーミン2号
5
「ディズニー」について持っているイメージがミッキーマウスほかのアニメやディズニー・ランド&シーの「夢の国」であるならば、この本は読まない方がいいだろう。ミッキーと手をつなぐ優しいおじさんなどではなかったウォルト・ディズニーが描かれている。彼は一般人から見れば相当捻じ曲がった性格になってしまっているが、環境と時代のなせる業だったことも伺える。勃興してくる労組の動きに対し、「使える」人間と目されたウォルトを、FBIが彼の出生を証明してみせようともちかけて対抗させようとするところまでが描かれている。2018/05/13
てまり
2
ウォルト・ディズニーの、あんまり好意的ではない伝記。幼少期の父親からの虐待(時代的にあまり虐待とは考えられていなそう)からの父子関係へのコンプレックス、それがウォルトのスタジオ従業員たちとの疑似家族関係、反ユダヤ主義、反共産主義、それと『ピノキオ』の内容とかにどう影響を及ぼしたか。ウォルトもひどい奴だがかなりひどい目にあってるのにずっと基本的に家族のことは好きみたいなのは可哀相。でもやっぱり歪んでる。唯一の黒人の正社員が靴磨きだとか、女性従業員への扱いとか、時代を考えてもひどいような。2022/05/20
Gen Kato
2
ウォルト・ディズニーの生い立ちから成功まで。淡々と描かれてはいるものの、なかなかきっつい。ミッキーマウスの裏声がますます苦手になりそう…2022/05/03
ねこつばき
1
手塚治虫もそうですが、芸術分野の成功者と言うのは得てして普通じゃないなと、つくづく思う。
まつ
0
下巻に感想2015/06/20