内容説明
死んだ者が墓から甦る。これがハイチの有名なゾンビだ。ゾンビにするには薬が必要だが、ハーヴァード大学の人類学者・民族植物学者である著者は、その正体をついに解明する。だが、薬だけでは人をゾンビにできない。ヴードゥー教の秘術が関わっているからだ。著者はその世界に踏み込んでいく。ゾンビにすることは正統な社会的制裁であり、その背景には蛇と虹を創造主とするヴードゥーの神話と世界観があることが、やがて明らかにされる。
目次
第1部 毒(ジャガー;「死のフロンティア」;カラバル説;白い闇と生ける死者;歴史の教訓;すべては毒にして毒にあらず)
第2部 ハーヴァードでの幕間(黒板の二つの欄;ヴードゥーの死)
第3部 秘密結社(夏、巡礼たちは歩む;蛇と虹;わが馬に告げよ;ライオンの顎門で踊りつつ;密のように甘く、胆汁のように苦く)