誰かの理想を生きられはしない―とり残された者のためのトランスジェンダー史

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誰かの理想を生きられはしない―とり残された者のためのトランスジェンダー史

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  • サイズ 46判/ページ数 209p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784791773138
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0030

出版社内容情報

性同一性障害からトランスジェンダーへ、よく知られる呼び名が変わっても、この国は性同一性障害の基準でできている。語られなかった事実、報道されなかった出来事、そこにいたはずのたくさんの人々......。これは、見えないようにされていたもの、見てこなかったものと向き合いつづけ、真摯に、丁寧に、しぼりだすように紡ぎだされた、ほんとうのトランスジェンダー史であり、あとから生まれてくる者たちのための書である。

内容説明

性同一性障害からトランスジェンダーへ、よく知られる呼び名が変わっても、この国は性同一性障害の基準でできている。語られなかった事実、報道されなかった出来事、そこにいたはずのたくさんの人々…。見えないようにされていたもの、見てこなかったものについて、真摯に、丁寧に、しぼりだすように紡ぎだされたトランスジェンダー史。今ある者たちへの「恩仇録」であり、そして、あとから生まれてくる者たちのための書である。

目次

第1章 「多様な身体」が性同一性障害特例法に投げかけるもの(日本のGIDをめぐる状況と特例法の課題;当事者の語りから見る「多様な身体」 ほか)
第2章 GID規範からの逃走線(「正規」か、「非正規」か;正規医療の現在 ほか)
第3章 当事者の「QOL」、医療側の「QOL」―「正規医療」経験者への聞き取りから(GIDをとりまく医療状況;正規医療が標榜する「QOL」 ほか)
第4章 砦を去ることなかれ―繰り返し、忘れえぬ爪痕に抗して(「GID医療」の始まりと、現在まで;執拗に指摘するということ ほか)

著者等紹介

吉野靫[ヨシノユギ]
立命館大学衣笠総合研究機構プロジェクト研究員。専攻はジェンダー/セクシュアリティ。トランスジェンダー当事者として大阪医科大学ジェンダークリニックに通院していたが、2006年、医療事故に遭う。翌年、大阪医科大学を相手どり提訴。2010年、複数の条件で合意が成立し勝利的和解。この出来事をきっかけに日本文学から社会学へと研究領域を変更し、トランスジェンダーに関する論文執筆や企画開催を開始する。『誰かの理想を生きられはしない―とり残された者のためのトランスジェンダー史』が初の単著(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

二人娘の父

10
トランスジェンダーを知るためにはマスト本。一読して感じたのは著者の「痛み」である。しかし単なる痛みの共有を求められているのではない。「性同一性障害」という当てはめから始まり、みずからの立場をどのように可視化し、理解を広げていくのかについての、たたかいの記録でもある。印象に残るのは医療者の傲慢さと、私たちの無知と無理解、そして無関心。「相手の立場になって考える」ことの難しさと同時に、それなくして相互の理解はあり得ないという事実。この事実を忘れるわけにはいかない。2021/05/07

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

8
2020年刊。著者はFTMで2006年に性適合手術を受けた当事者。トランスジェンダーと性同一性障害の違いや、性適合手術を巡る特例法によって性同一性障害者が分断されたことなどが書かれ、そうした”正史”に登場しない関係者の事情が書かれている。つまり「性同一性障害は病気なので手術を受けられる」「トランスジェンダー? 知らないね」と言うことだった。トランスジェンダー間の駆け引きがあり、当事者と言えど聖人でも何でもなく自分が優先して救われたいがために、少数者内の更なる少数派を切り捨てて特例法を成立させた。→続く2021/07/16

もてぃ

8
日本のトランスジェンダーを取り巻く医療・法制度とそれらが当事者のあり方にどのような制限を与えてきたかが克明に書かれていて、"LGBT理解増進法"や自民党議員の差別発言が話題になる今読んでよかった。特例法の不条理、トランスジェンダーの”病理化”と”脱病理化”の意味、医療や法制度の承認を絶対視する権威主義によって”中核的な”トランスジェンダーとそうではないトランスジェンダーが分断されている現実。あまりに理不尽なことが多くて読んでいて眩暈がしそうになったが、だからこそたくさんの人に読んで知ってほしい一冊。2021/05/29

Miki Shimizu

7
おもしろかったというと、アカンのかな?というような重い内容ではあるけど、性はいろいろだよ、グラデーションだよといいながら、トランスジェンダーというと典型的な男や女を目指していると思いがちだったのを「ちがうよな。そらな。」と訂正させてくれた本。違和感があるということと、典型的な男や女を目指すことは違う。女っていってもいろいろやし、男と女の2種類に分けるというのも違うねんから、いろいろあって当然やん。そやな。2020/10/31

めがね

5
昨今のSNSでのトランスジェンダー排除の言説は本当に危機的状況だと思って手に取った本。 トランスジェンダーはジェンダー規範を強化してる、と批判する言説を目にするたびにモヤモヤと違和感を感じていたが、「GID規範」に関する記述を読んで、自分の中で点と点が繋がった感じ。 私は自分が本当に女なのか、と悩んだことがない。考える必要すらなく生きてこられた時点ですでにシスジェンダーとしての特権がある。自分のマジョリティ性、加害性に常に向き合っていかないといけないと、この本の「おわりに」を読んで改めて思う。2021/09/05

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