依存症臨床論―援助の現場から

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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791768189
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C0011

内容説明

医療に拠らない方法でいかに依存症と向き合うのか。著者は、その経験と実践をとおして、臨床心理士だからこそできることを常に考え続けてきた。その使命感に向き合いながら、これまで光のあたらなかった依存症臨床を歴史的に捉えることで練り上げられた現場の“哲学”をあきらかにする、画期の書。

目次

依存症をめぐる臨床
依存症臨床のリトマス試験紙
アルコールグループ・断酒会・AA
疚しさと当事者コンプレックス
否認の病から家族の医療化へ
自助グループロマン主義
求められていた言葉
援助か使役か
被害者に「なる」ための加害者研究
マイノリティの気概
被害者性と免責性
ケアと共依存
自助グループの宗教性と臨床のプログラム化
病気の免責と暴力の責任
グローバル化する精神医療―辺境から眺める

著者等紹介

信田さよ子[ノブタサヨコ]
1946年岐阜県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部哲学科卒業。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て、1995年原宿カウンセリングセンターを設立、同所長。アルコール依存症、摂食障害、ドメスティックバイオレンス、子どもの虐待などの問題に取り組んでいる。日本臨床心理士会理事、日本心理劇学会理事、日本外来精神医療学会常任理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ひろか

7
信田依存症論の総括。信田氏の他書に比べ、表現が難しく(あとがきによれば、わかりやすくなくても、精緻で論理的な表現を心がけた、とのこと)、ある程度知識がないと難しい。2014/10/11

mitam

4
読んでよかった。依存症が逸脱から医療化される過程について、東京五輪〜90年代の日本の変遷をたどる。ずっと臨床に携わってきた筆者による医療者の苦悩の描写はイキイキとしてる。白眉はDVの下り、精神医療とフェミニズムが交わる。アルコール依存症の夫から殴られる妻に対して筆者は「断酒すれば暴力がなくなる」と伝えてきた。ただDVが可視化された後では「酔っていようが暴力です。逃げてください」と言うべきではなかったのかと煩悶する。ストーカーの医療化についても、それは決して免責になっては行けないと釘を刺す。2023/03/05

あもなか。

4
少し難しい。依存症臨床の歴史の話が興味深かった。2014/12/27

Asakura Arata

2
依存症業界の歴史が分かった。依存症のみならず、今後、精神科医療全体が、医者は脇役になっていく可能性が高いと思う。器質的要因のものは別として、それ以外の精神疾患は、やはり自助グループやピアカウンセリングが主流となっていくだろう。 共依存とDVについての葛藤的な見解については共感した。 多少とも依存症臨床に関わっていた私は、さしずめ第3世代になるのか?2014/10/26

トリピスティ・インターナショナル

2
読み物としても面白かった。依存症について、流れを追って理解することができた。2017/03/06

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