退屈―息もつかせぬその歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 241,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791766215
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

内容説明

古代キリスト教の隠者のエピソードから、有名なデューラーの銅版画、サルトルの『嘔吐』、さらに最新の脳科学や動物行動学の成果まで、古今東西ありとあらゆる事例をもとに語られる、人間と退屈のまったく退屈しない物語。

目次

1 退屈を位置づける
2 慢性的退屈とその仲間たち
3 人間、動物、監禁状態
4 真昼の消耗
5 退屈に歴史はあるか
6 退屈へと帰還する長い歩み

著者等紹介

トゥーヒー,ピーター[トゥーヒー,ピーター][Toohey,Peter]
西洋古典学者。モナシュ大学(オーストラリア)卒業、トロント大学(カナダ)で博士号取得。現在、カルガリー大学(カナダ)芸術学部ギリシア・ローマ学科教授

篠儀直子[シノギナオコ]
名古屋大学大学院(西洋史学)・東京大学大学院(表象文化論)を満期退学後、東京大学などで非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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coaf

8
『暇と退屈の倫理学』(以下『暇倫』に感動してこういったテーマに興味を持つようになった。本書も『暇倫』と同様に多様な角度から退屈を捉えようとする試みである。しかし、『暇倫』と比較すると面白さはいくぶんか劣る。美術作品についてページ数を割いて説明していたのが、僕の興味には合わなかった。美術や文学からのアプローチに富み、哲学的アプローチに乏しい。2013/05/08

shishi

7
[A+]退屈といえば、「単純な退屈」と「実存の退屈」とに分えられ、特に「実存の退屈」は近代化以降に生まれた深刻な問題として考えられてきたけど、本当にそうなのと疑っちゃう本。「実存の退屈」については著者は信じておらず、はっきりと二つの退屈に分けることはせずに、「退屈」の諸相を動物学、心理学、文学、社会学、脳科学など幅広い文献を踏まえてまとめてある。著者によると退屈は感情の一つらしい。ユーモアが効いていて、不思議とポジティヴになれる良書。退屈についての本だけど、退屈しないよ。アドルノの写真が面白かった。2014/01/26

peeping hole

2
ブックオフで見つけたおもしろ本だと思っていたけれどめちゃくちゃ面白かった。著者によれば退屈には二種類、単純な退屈(小学生が授業中に感じるような)と複雑な退屈(サルトルやハイデガーが好んで論じていた)があってむしろこの哲学徒が相手にしない単純な退屈こそが本質であり、我々が治さなきゃと悲観的になるのではない方向で向き合う必要があるとして論というよりエッセイが書き連ねられる。お茶目なアドルノの写真だったりツッコミ待ちのギャグ多し。ハムスンの飢え、めちゃくちゃ欲しいのだけれど高すぎる。どうして復刊しないの?2020/12/21

すなこ

1
書評で紹介されていたので読んだが、イマイチ。2011/12/09

新井徹

1
著者が退屈に自覚的なだけに、この本はまったく退屈しない 。退屈について、こんなに深く考察したことが無かったので、退屈には「単純な退屈」と「実存の退屈」がある、なんていう基礎レベルからもう目から鱗。単純な退屈を“予測可能で脱出困難な状況”なんて言い得て妙。総じて退屈を価値のあるものとして論じているのも共感できる。あくびは退屈のいとこって言葉が出てくるけど、落語の「あくび指南」ってまさにこの本の主題に近い、退屈を楽しんでしまうという高度な次元の噺なんだよなぁ~。2011/12/02

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