内容説明
沸き立つ数学界の最前線と、F1理論構築をめぐる白熱の対話。鍵となるであろう一元体(F1)上での数学=絶対数学とはなにか?21世紀数学の要、F1スキームとはいかなるものか?F1理論提唱者×文系にもわかる数学。
目次
現代数論の戦略―数論の過去・未来(素数の歴史;現代数論の戦略 ほか)
絶対数論の戦略―リーマン予想のXデー(リーマン予想とはなにか?のおさらい;リーマンはなぜリーマン予想に行き着いたのか ほか)
リーマン予想まであと10歩(10歩手前―数の宝石(素数)
9歩手前―無限に足しても有限(数列の収束) ほか)
ゼータへの旅(素数空間;素数の演劇空間 ほか)
絶対数学(二〇世紀は環の世紀;微分 ほか)
著者等紹介
黒川信重[クロカワノブシゲ]
1952年生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科教授。理学博士。専門の数論研究においてはF1理論提唱者の一人としても知られる
小島寛之[コジマヒロユキ]
1958年生まれ。数学エッセイスト。帝京大学経済学部経営学科准教授。経済学博士。専攻は数理経済学、意見決定理論。経済学のみならず、文系にもわかりやすい確率論や数学の解説でも高評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HH2020
5
◎ ゼータ星人の黒川教授が話すゼータ語を地球人の小島教授が地球語に翻訳してくれるのでなんとか読み進めることができた。Ⅰ章から順に読んだが☆章を先に読むべきだったかな。この世界に深入りしないほうが賢明だということだけは十分に理解した。2017/09/13
kochi
4
ある本Aをより理解するためにこの本を読み始めたのだが、「きちんとした証明は、参考文献Aなどで読んでほしい」だって…無限の話ばかり出てくるとは言え、早々と、無限ループにはまってしまいました。2010/06/14
kenitirokikuti
2
二十世紀数学は環(ring。加法と乗法がつかえる)の研究が進んだが、二十一世紀には「絶対数学」、加法を忘れたもの、と。ζ。すべての素数の積、という無限大。ホントにかすかに何か何なのか感じられた。2016/01/31
渓流
2
Ⅰ、Ⅱ章は、日本語の文字面は装っているが、その実、異次元語で書かれた散文であり、理解不能。ただ、☆の章はリーマン予想解決の数学的武器になる概念をその歴史的発生から日常語で語り、リーマン予想への良き道案内になっている。昔勉強したイデアル論を思い出し懐かしく読み終えた。2010/02/22
魔魔男爵
2
黒川先生は反ヒルベルト派と看破せり!カントールをデデキントの二番煎じみたいに描写したり、行列式(と言えばクロネッカーデルタ)の重要性を訴えたり、クロネッカーの青春の夢という講演もしているのだ!数学ネタと言うとゲーデルとフェルマーばかりがマンセーされる風潮にイヤンな人は必読。物理ファンも超弦理論とゼータ関数の関係には楽しく読めるであろう。絶対数学=足し算を使用しない掛け算だけの数学でスキームを作るのが21世紀のナウイトレンドなのでR。2009/08/29