内容説明
原口統三、稲垣足穂、那珂太郎、中村稔、飯島耕一、吉岡實、清岡卓行、大岡信、入沢康夫…。燦然と輝く戦後詩人の初期作品を大胆に出版し、現代詩の行方を決定づけた小さな出版社・書肆ユリイカ。その詩集・戯曲・翻訳・雑誌などを幾多の困難も排して徹底追求し、蒐集・鑑賞・調査と、あまりにも巨大なる遺産を自在かつ緻密に愛で尽くした情熱の書。
目次
1 書肆ユリイカの本の作り方(初期の造本スタイル;繊細な詩集群の誕生 ほか)
2 書肆ユリイカの本を図書館で閲覧する(国立国会図書館;東京都立中央・多摩図書館 ほか)
3 書肆ユリイカの本を調べる(前田出版社はいつまであったか;伊達得夫と『二十歳のエチュード』の出版 ほか)
4 書肆ユリイカの本を買う(蒐集事始め;古書買いの深みにはまる秋と暮れ ほか)
あとがきにかえて 「書肆ユリイカの本を調べる」番外編
著者等紹介
田中栞[タナカシオリ]
昭和34年、横浜生まれ。書物研究家、製本教室・版画教室講師。書肆ユリイカの書籍198点241冊・雑誌80点98冊を蒐集所蔵(異装異版異刷を含む)、出版文化史的・書誌学的見地から分析研究する。栃折久美子氏に西洋式製本術を、遠藤諦之輔氏に和本製本術を師事、全国各地で豆本製本教室を開催。日本出版学会理事、東京製本倶楽部会員、書皮友好協会名誉顧問。書物誌『本の手帳』を編集発行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
6
2009年刊。異能の編集者・伊達得夫のもと、1948年から61年にかけて瀟洒な造本の詩書の数々を世に送り出した小出版社・書肆ユリイカの仕事の全貌に迫った一冊。資材の乏しいなか丁寧に作られた書物の美しさに目を奪われます。著者の書物愛も全編にあふれており、とりわけユリイカの書物の蒐集過程を綴った章には引くほど(誉め言葉)。本書については『アイデア』367号の「日本オルタナ文学誌」(2014年11月)も併せて読みたいところ。2021/10/13
takao
1
ふむ2021/05/08
ざわざわ文庫
1
初版の装丁ってすばらしい。この本はいつか購入したい。2011/02/26
メルセ・ひすい
1
初版本のうんちく2009/11/03
雉虎堂
1
ぜひフルカラー写真付きの特装版を出してほしい2009/12/12