内容説明
文学批評の鬼才が、過去から現在までの人物をとりあげて、縦横無尽に繰り広げる、反逆と皮肉にみちた批評集。知の散策へと誘う、現代思想と文学理論のエッセンスにみちた、欲張りな至福の必読書。
目次
ポストモダンの野蛮人
最期の言葉
ゴシックの本質
ユートピア
ロマン派詩人
ブランウェル・ブロンテ
オスカー・ワイルド
W.B.イェイツ
I.A.リチャーズ
フランクフルト学派〔ほか〕
著者等紹介
イーグルトン,テリー[イーグルトン,テリー][Eagleton,Terry]
1943‐。現代イギリスを代表するマルクス主義批評家、文化理論家のひとり。ケンブリッジ大学卒業、オックスフォード大学特別研究員、同大学教授。その後マンチェスター大学教授(2008年退官)
大橋洋一[オオハシヨウイチ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は英文学、批評理論
小澤英実[オザワエイミ]
東京学芸大学教育学部専任講師。専門はアメリカ文化、現代日米演劇(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あなた
4
そういえばデレク・ジャーマンの『ウィトゲンシュタイン』の脚本はイーグルトンなのであった。あの映画のエンディングほどに、一介の庭師の/小学校教師の/建築家の/用務員の/オナニストの/そして哲学者の、なめらかで・摩擦ある世界と対峙しようとしたその苦難と悲しみを手際よく描いたテクストを私は知らない。本書にはジジェクも出てくる。ジジェクを通したラカンもわかりやすいが、イーグルトンを通したジジェクを通したラカンはなおわかりやすい。名著『文学とは何か』のように本当に手際よくまとめる人である 2010/07/15
hisajun
1
☆☆☆★★(書評集。ポストモダン思想への一貫した批判とかアイルランド関連の話とかイーグルトンらしくて切れ味鋭く楽しい。どれもためになる書評ではあるけど全部読むのはちょっと重い。興味あるものをつまみ読みするぐらいがいいと思う。)2009/04/11
しーぽん
0
批評の対象がわかれば実に辛辣な批評が加えられているのがわかるのですが、誰の批判をしているのかわからないのが大半でした。上級者向け?でも、批評する精神はとてもよく伝わってくるし、訳も素晴らしいです。2012/02/06