出版社内容情報
カウンセリングの教育現場への侵入、曖昧模糊とした「道徳教育」など、「心の教育」を強制する教育行政に物申す。
内容説明
心のケアで人は本当に救われるのか。「自由化」とは競争の激化、「個性化」は能力主義の強化、「国際化」とはグローバリズムの中の選別と、さまざまな社会矛盾の増大に邁進する学校現場。その教育の場に救世主の如く導入された「心の教育」とカウンセリングとは、何を目指し、何が出来るのか―。混乱する教育の実態を見つめ、根源的に分析する柔軟な論考。
目次
序 心の管理、無声の社会を考える
1 「心の時代」の経緯と現在(消費社会とカウンセリング;「心の時代」は人を救えるのか;「心のケア」・「心の教育」論考;心理主義と新自由主義の持ちつ持たれつつ)
2 「心の教育」とは何か(「心の教育」が意図するもの;心理主義と国家主義の調合物;スクールカウンセリングと「心の教育」;『心のノート』と子どもの権利)
3 子どもと学校の諸問題(「学力」再考―出席をとらない;親と教員は共闘できるか―教育基本法改定のときに;学校化社会と「居場所」―ただのおとなに居直る;「いじめ」―評価・消費社会の到達地)
著者等紹介
小沢牧子[オザワマキコ]
1937年、北海道生まれ。臨床心理学論、子ども・学校論専攻。和光大学、千葉県立衛生短期大学、文化学院専攻科の非常勤講師として、臨床心理学、教育心理学、家族論などを講じる。国民教育文化総合研究所の運営委員・研究委員も務める。現在、日本社会臨床学会運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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