出版社内容情報
二〇世紀を代表する写真家の軌跡。パリ特派員時代からの友人である著者がその素顔に迫る。
内容説明
世界を旅して事件の現場に立ち会い“決定的瞬間”を完璧な構図に切り取って20世紀を生きぬいた伝説の写真家。その晩年を直接取材することに成功した経験から、様々な資料で全生涯をたどりなおし、名作から知られざる傑作までを一望の下に収める決定版評伝。
目次
修学時代
青春の彷徨
ライカとの出会い
写真家デビュー
アメリカ大陸
映画
第二次世界大戦
写真エージェント「マグナム」
インド、中国、インドネシア
写真集『決定的瞬間』
取材はつづく
絵画への復帰
著者等紹介
柏倉康夫[カシワクラヤスオ]
1939年、東京生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。NHK解説主幹、京都大学大学院文学研究科教授を経て、放送大学教授・附属図書館長。京都大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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十一
2
素描による入門2014/07/06
サトル
1
アンリ・カルティエ=ブレッソンの評伝ではなく彼の生きた時代を網羅的に点描したもの。少年時代に遠回りをしながらもライカと出会って写真の道を歩み始め、先駆者アジェやケルテス、マン・レイらと知己になり、報道写真フォト・ルポルタージュのためにアメリカ大陸に渡り、スペイン内乱の頃には映画にも手を染め、第二次世界大戦でキャパとともに写真通信社マグナム・フォトを立ち上げて、晩年は少年時代に夢想していた絵画へ回帰した。写真集「決定的瞬間」はその道すがらで撮った126枚の集積、写真一枚で全てを物語る彼のこだわりだったのか。2021/01/25