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内容説明
少年の日の友との絶交、秘められた新妻殺し、サボテン収集狂のあきれた犯罪、パン屋の親父のぼやき…。都会的ウイットと洒落たユーモアで、人間のおかしさ・愚かさを描いては天下一品のチャペック短編群。その味わい深い魅力が、ぎゅっと凝縮された珠玉の一巻。
著者等紹介
チャペック,カレル[チャペック,カレル][Capek,Karel]
チェコの国民的作家(1890‐1938)。プラハのカレル大学などに学ぶ。1921年、リドヴェー・ノヴィニ(民衆新聞)社に入社し、以後ジャーナリストとして活躍する。また戯曲や童話なども執筆し、画家でいる兄ヨゼフとともに多くの優れた作品を残した
田才益夫[タサイマスオ]
1933年生まれ。演出家・翻訳家。九州大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
131
兄のヨゼフ・チャペックの表紙のイラストがチャーミングな短編集。翻訳に難があり読みにくいのは残念だが、チャペックの機知とユーモア、風刺は伝わってくる。スケッチのような短編もあるが、私は起承転結がはっきりした短編が好みだった。特に好きなのは「切手コレクション」。私のように子供の時に切手を集めていた人だったら、この物語をきっと好きになるだろう。長い時間が経過した後に主人公が知る残酷な事実が痛切。良く出来た短編のお手本のような作品だと思う。2015/09/03
藤月はな(灯れ松明の火)
23
以前、読んだ戯曲「ロボット」の作者でもあるカレル・チャペックの短編集を図書館で見つけたので借りました。パン屋の親父のぼやきは確かに商売はあがったりだよなと思う所もあり、人間は損得勘定で動くけれどもアルキメデスのようにローマ帝国よりも扇形の計算方法のような知識の方が後世に残っていること、客観的であらねばならない陪審員も事件に関わる時は自分を投影しなければならない事実を軽やかに皮肉っています。「ピラトの信条」は争いを行う人々に読んでほしい名作です。2012/01/30
はと
15
「二度のキスのあいだに」は衝撃的で感動した。この作者の他の作品は読んだことがないけれど、この短編集を読んだ限りでは、理性的、合理的、理論的なものでは説明できない人間の情動や感情の奥深さに着目しているところがあるように感じられた。ある物やある考えに心を占められた人の滑稽さだったり悲哀だったりを感じさせる作品もいくつかあり、作者の人間という生き物に対する愛情のようなものを感じた。2014/02/06
maimai
13
軽みやおかしみの中に人生への達観が垣間見えて、辛辣だったり痛快だったり、もの悲しかったり。コレクションをめぐる人間模様を扱った「チンタマニと小鳥の絨毯」「盗まれたサボテン」が特に良い。「切手コレクション」も。2019/07/03
yuzuriha satoshi
4
天からパンが降ってくればパン屋はあがったりだよね2011/04/14