内容説明
現生人類よりはるかに長く一五〇万年に渡って栄えた「ホモ・エレクトゥス」北京原人。初めての火の使用法とは、食人習慣はあったのか、言葉は話せたか、発掘された骨はどこへ行ったか…中国と共同研究したアメリカの人類学者が、解剖学、考古学、地質学、古生物学などの学際的知識を駆使してすべての謎に答え、人類進化への大胆な新説を提唱する。
目次
1 龍骨山の骨
2 竜の再主張
3 進化上の意義―巨人か遺伝子か
4 第三の機能―北京原人の謎の頭蓋についての仮説
5 なりかけの人類による適応行動
6 ホモ・エレクトゥスの時代と気候
7 龍骨山に見られるヒトらしさ―脳、言語、火、人肉食
8 究極の疑問を解決する―ホモ・エレクトゥスの始まりと終わり
9 新しい仮説の検証
著者等紹介
ボアズ,ノエル・T.[ボアズ,ノエルT.][Boaz,Noel T.]
ロス医科大学解剖学教授
ショホーン,ラッセル・L.[ショホーン,ラッセルL.][Ciochon,Russel L.]
アイオワ大学人類学教授
長野敬[ナガノケイ]
生物学者
林大[ハヤシマサル]
東京大学経済学部卒
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感想・レビュー
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まーくん
46
2004年の著作。二人の著者はカリフォルニア大学バークレー校の研究室で同時期に学んだ古人類学者と解剖学者。北京原人発見の経緯と失踪の顛末に各一章。残り7章は原人の生態や進化上の意義など人類学的考察で、骨の話しだけに門外漢には少し骨が折れた。北京協和医学院に「新生代研究所」を創設、発掘を率いたブラック、後任ワイデンライヒ両所長の働きを中心に、周口店での発見、日米開戦に備え米国へ向け輸送、そして失踪(紛失)。彼らも行方について種々の推理を述べてるが、漢方材料の”竜骨”として中国の大地に還ってしまったのではと。2019/02/12