内容説明
進化の謎・ヒト出現のきっかけとは何だったのか。言語能力などよりも、サルの祖先が両手を中空に掲げヨイショと立って歩き始めた瞬間こそが、人類誕生の重大局面だった。脳の発達を著しく促す直立歩行を進化の基本因とする、大胆華麗な推論による動物行動学の最新成果。
目次
はじめに 赤ん坊の歩み
1 最初の一歩
2 こぶしで歩く
3 天国の歩行
4 拡張された家族
5 みんなルーシーが好き
6 何のために立つのか
7 肉を探し求めて
8 よりよい二足動物
9 スカイウォーカー
著者等紹介
スタンフォード,クレイグ[スタンフォード,クレイグ][Stanford,Craig]
南カリフォルニア大学教授。専攻は人類学、生物学。アフリカ、アジアそして中南米で、類人猿やサルのフィールド研究を行う
長野敬[ナガノケイ]
生物学者
林大[ハヤシマサル]
1967年生まれ。東京大学経済学部卒業
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感想・レビュー
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清水勇
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類人猿から人類への進化、即ち四足歩行から二足歩行へ進化は必然的に起きたと理解していたが、600万年間の膨大な試行錯誤(それぞれの環境に合わせた行動)の結果、たまたま人間に行き着いたという著者の考え方は、進化に対する見方を大きく変えてくれた。チンパンジーから少しずつ立ち上がったようなイメージを持っていたが、中途半端な状態では生き延びれないのも事実。即ち、100万年を超える行動の積み重ねから骨格構造が変化したイメージは斬新だった。進化は一本道ではなく、たくさんの枝葉の一本でしかない。失敗の中にこそ進化がある。2013/03/04