内容説明
新しい時代のための新しい思想と芸術の可能性をきりひらくために、デリダの脱構築、ジュネやゴダールのパレスチナへの越境によって「ヨーロッパ」のリミットに触れ、「在日」と呼ばれる人びとの詩・散文や、“他者”との出会いから言葉を紡ぐ「日本人」たちのなかに、いまだ名指しえぬ列島をさぐりあてる。
目次
愚かさの寓話
「ヨーロッパ」の脱構築
映像のマラーノ
ジャン・ジュネ再訪
日本語の“未来”
名指しえぬ列島
傷になること
著者等紹介
鵜飼哲[ウカイサトシ]
1955年生まれ。京都大学大学院文学部卒業。フランス文学・思想専攻。現在、一橋大学大学院教授。現代を代表する哲学者ジャック・デリダのアジアにおける高弟にして、現代文学の“夜”の部分を担ったジャン・ジュネ研究の泰斗。現代思想界におけるパレスチナ支援運動の代表的存在であり、韓国・朝鮮の人びととの思想・運動的交流の架け橋。峻厳な哲学、繊細な文学、ラディカルな運動、幅広い交友がこの人のなかに自然に同居する
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