内容説明
オーストラリア・アボリジニ文化の根幹をなす「ドリームタイム」。それは未開の世界観ではなく、西欧とはまったく異なる法システムや、独自の科学論を備え、生と死の世界をつらぬく思想に支えられた壮大な体系である。その本質と可能性を、豊富な図版を用いて体系的に紹介し、人類が未来に生き残るためのオルタナティヴな世界像をさぐる。
目次
第1部 初めに夢見ありき(起源のイメージ;夢見のの時空 ほか)
第2部 夢見を生きる(誕生;儀礼周期 ほか)
第3部 トーテミズムとアニミズム(トーテムと社会;トーテムとイメージ ほか)
第4部 死と高位の儀礼(死、夢見への拡張;死への旅路 ほか)
著者等紹介
ローラー,ロバート[ローラー,ロバート][Lawlor,Robert]
ニューヨーク州立大学で理学士号、プラット大学で芸術学修士号を取得。トルコ、シリア、イラク、南ヨルダンなどを放浪したのち、南インドでのタミール人との生活を経て、現在、オーストラリア南部タスマニア島沖に浮かぶ島に在住
長尾力[ナガオツトム]
翻訳者。東京大学大学院修了。専攻は科学基礎論
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感想・レビュー
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吟遊
10
前半をざっと読んだのだが、こういうジャンルにありがちな夢想的な神秘主義者の本、という感じを受ける。ぶ厚いし、学術書の印象を与える体裁なのだが、アボリジニの話からふっと飛んで、比較対象として連想されたべつの話を始めたりする。フィールドワークも足りないようだ。2017/05/23
Rieko
1
立花隆おすすめの本(立花隆曰く、これほど充実したアボリジニについての文献は無いとのこと)。辞書のように分厚く重いですが読み易いです。人類発祥の神話が西欧や日本とも違い、大変興味深い本でした。太古の昔「文字が生まれる以前の人類はどのような世界観を持ち、どのような神をあがめていたのか、何を考えていたのか」は資料としての文字が無いからこそ永遠に解らない状態です。そのヒントはアボリジニの世界観にあると思います。とにかく貴重で価値ある一冊。2012/06/30
Choloepus
0
おそろしく頭のわるい本。反近代にこりかたまつて思考停止した愚劣な精神の産物。讀んだ自分もアホ2009/03/15