内容説明
激しく情熱的な演奏によって世界を魅了し、鍵盤の魔術師と呼ばれ、生きながら伝説となった今世紀最大のピアニスト、ホロヴィッツの謎多き生涯を、身近な友人の目で、ヴェールを剥ぐように描き出した、精緻な評伝。
目次
最初の二十二年間
ホロヴィッツ世界を制す
早い引退
勝利の復帰
二度目の復帰
マエストロを初めて訪問する
世界で最も偉大な手
ジュリアードの訪問を決心する
ホロヴィッツとシューマンの合体
正しいテンポを把握すること〔ほか〕
著者等紹介
デュバル,デヴィッド[デュバル,デヴィッド][Dubal,David]
ピアニスト。文筆家。現在は、ジュリアード音楽院ピアノ科ピアノ科教授。ラジオ局のディレクター、国際コンクール審査員としても活躍
小藤隆志[コトウタカシ]
国立音楽大学楽理科卒。ハーヴァード大学作曲科博士課程を経て、現在同大学のティーチングフェロー
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感想・レビュー
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fishdeleuze
6
ピアニストで音楽教師の著者デュバル氏によるホロヴィッツ晩年の記録。神経質で人を寄せ付けないホロヴィッツが彼を相手に饒舌に話せたのは,著者の人柄や職業もさることながら,相性が良かったのだろう。ホロヴィッツに気に入られるのは大変なことなのだ。そしてこれだけ偉大なピアニストと対峙するとどうしてもホロヴィッツ礼賛の本になってしまうが,著者は尊敬こそするが手放しに礼賛することをしない。その結果,等身大のホロヴィッツを身近に感じ取られるよい著作になっている。ロマン派最後の大物本人の言葉はとても興味深い。2012/10/04
yoshi
0
晩年はわがまま爺さんだった。生でピアノが聞けた人は幸せやな、もう二度と現れない天才。2020/12/27