内容説明
本書が描くのは、心理学の焦点がしだいに狭められて行く物語であり、そしてまた、どのようにして心理学が科学となり、文学から引き離され、心という近代的概念を発明することになったかという物語である。心理学が狭められて行く過程の背後に横たわる歴史を追いかけることによって、狭隘化を導いたいくつかの理由を示すとともに、心理学を開放してより広い経験概念へ導くことを可能にするいくつかの道を示唆した。
目次
第1章 心理学を求めて
第2章 不可能な科学
第3章 フランケンシュタインの科学
第4章 協調関係にあったヨーロッパ思想のほころび
第5章 自然的形而上学の短い生涯
第6章 一八四八年の革命とその後
第7章 三つの無意識概念とその展開
第8章 実証主義の極致
第9章 特異なる存在―チャールズ・ダーウィン
第10章 どのようにして哲学は心理学から成立したのか―一八七九年の世代
第11章 経験の科学としての心理学―ウィリアム・ジェームズ
解題 エドワード・リード―ソウルの心理学者
著者等紹介
リード,エドワード・S.[Reed,Edward S.]
1955年生まれ。生態心理学者。哲学から出発し、ダーウィンの研究から生物学と心理学と哲学をつなぐ独自の生態学的認識論を構想していたが、ギブソンに出会い生態実在論の有力な後継者の一人となる。’97年、心臓病で逝去。著書に「アフォーダンスの心理学」「The Necessity of Experience」がある
染谷昌義[ソメヤマサヨシ]
1970年生まれ。94年立教大学文学部心理学科卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍中
鈴木貴之[スズキタカユキ]
1973年生まれ。96年東京大学文学部哲学科卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程在籍中
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