内容説明
複数の言語が折り重なる台湾のメディア状況、亡命作家邱永漢の記憶の戦略、そして台湾ニューシネマ―植民地支配を刻印された文化の身体を、歴史‐地政学的な遠近法から解読し、帝国的な眼差しの解体を目論む、ポストコロニアル文化研究の最良の成果。
目次
台湾、ポストコロニアルの身体
「記憶」をめぐる闘争―二・二八事件と台湾人
亡命者のエクリチュール―『密入国者の手記』を読む(戦後初期邱永漢研究1)
植民地からの逃亡―『濁水渓』を読む(戦後初期邱永漢研究2)
台湾のポストコロニアル状況(戦後初期邱永漢研究3)
中華世界の「声」―『ブエノスアイレス』(「春光咋洩」)を聴く
台湾の脱植民地化/日本の脱帝国化―台湾ニューシネマを読む
一つの帰結、一つの始まり―総統選挙(2000年3月18日)が示したもの