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内容説明
発熱する混沌の地。ペレストロイカから15年、国家崩壊後の変貌の地を巡礼し、全体主義の歴史を経て模索する人々の生のかたちを直視する。現代芸術、政治、知の現在からウォッカと食の楽しみまで、現代ロシアのエッセンスを網羅した異彩の“紀行物語”。
目次
第1章 モスクワの春、あるいは白と黒の境界(冥府下降;水溜りを越えて;空間飢餓)
第2章 石の迷宮、蓮の楽園(ビバ・ペテルブルグ!;酔いどれのモスクワ;幻想のトポスへ)
憂欝な間奏曲「ウリヤノフスク物語」
第3章 魂たちの帝国(黄金の秋を行く;黒いモスクワ;幻想の都)
第4章 記憶の冬、冬の記憶(陶酔の実験;雪の朝、モスクワに…;歴史の影―東欧から)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
2
この本を読んでいたら、思わずウオッカを飲みたくなった(笑)。それはともかくとして、本書で言及される夥しいテロや殺人事件、粛正などの血腥くて陰惨なエピソードの数々に唖然とさせられた。それでも著者の目を通して描かれるロシア(及び旧ソ連)にはどこか曰く言い難い魅力をたたえているように思える。それはこの国が生み出した幾多の芸術家や文学者、それに独自のキリスト教文化と幾多の異端と呼ばれる宗教が大きく関与しているのではないだろうか?きな臭い政治情勢についてはよく分からなかったが、機会があったらまた読み返してみたい。2013/03/02
散歩いぬ
2
著者は光文社古典新訳のドストエフスキーの訳者である。ロシア芸術を全く知らないまま読んだこと、1983年の訪露、十年後に滞在した一年、その手記・回想・知人への手紙が切り貼りの手法で書かれていることになかなかついて行けなかった。本の半ばから慣れてきて段々と面白くなる。ロシア的とは何かという明確な答えはないが、140の民族からなる広大な国は、個々の民族性を越え、全体主義に染めなければ統一できなかったのかも知れない。続く2011/11/07
dancing queen
0
固有名詞に馴染みがなく、ついていけぬまま、読んだというよりは「目を通した」って感じになってしまった。2013/03/24