おぱらばん

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おぱらばん

  • 堀江 敏幸【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 青土社(1998/07発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791756513
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0090

内容説明

変貌するパリとその郊外で暮らす移民たち、ディアスポラ状況にある居留者たちに澄んだ眼差しを注ぎ、磨きぬかれた文体で描かれた、もうひとつのパリの相貌。

目次

おぱらばん
BLEU,BLUES,BLEUET
ドクトゥール・ウルサン
留守番電話の詩人
洋梨を盗んだ少女
貯水池のステンドグラス
床屋嫌いのパンセ
ボトルシップを燃やす
音の環
黄色い部屋の謎
クウェートの夕暮れ
手数料なしで貸します

珈琲と馬鈴薯
のぼりとのスナフキン

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

42
15編の短編。うち14編は連作。パリで。エッセイなのか、小説なのか。日常の出来事について語られるエッセイが小説に移り変わっていくのか。品格のある日本語、あまり出会ったことがない小粋な言い回しで、密やかに頭に浮かぶ大きな声では話さないような事ごとが綴られるギャップがいい。処々のウィットも効き、ふっと笑う。パリに行ったことがない、フランス語は第二外国語でかすった程度、文学や芸術にも明るくない、そんな私には大変もったいなく思うが、「おぱらばん」「洋梨を盗んだ少女」「ボトルシップを燃やす」が特に好きだ。2018/05/23

踊る猫

29
よくできた散文だ。それに尽きる。この散文群は小説ともエッセイとも形容し難い。だが、それでいいのではないだろうか。エッセイが随想、つまり「想」いに「随」して語られる散文の謂なら、それが記憶から逸脱して空想に入り込んだり勘違いが露呈して現実に戻されたり、虚構と現実の境界を期せずして行き来することになってしまい、「小説」に片足踏み込んでも不思議はないわけだ。「小説」も突き詰めてみれば綿密に「実」に似ようとする「エッセイ」に至るのが筋、であるとも。ということなら、小説でもありエッセイでもあるこの作品群は実に巧みだ2021/01/26

sashawakakasu

6
小説の中にまた別の小説が流れ、連動していくのがよかった。貯水池のステンドグラスがお気に入り。2021/02/26

algon

4
異様な題なのでどんな内容かと・・・思ったら全く知的で面喰いました。主にフランス滞在中のエッセイですが知的過ぎてついていけない箇所もいくつか(泣)。導入の話からふと枝のエピソードに分かれていくのだけれど実はそれがその章の主題だった・・という手法が主だった著作のように思います。著者のナイーブな面が多々現れた本で高尚な内容だけど良く練れた文が最後まで引っ張ってくれました。2017/02/04

marco

4
今更ながら……読み終えて、唸った。名随筆だと思う。2011/05/26

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