内容説明
現代思想の扉を開いたフッサールの現象学。その上に展開したハイデガー、サルトルらの実存思想。その伏流水となったムージル、マルロー、カミュらの文学。また、レヴィ=ストロースやフーコーの構造主義。デリダ、ドゥルーズのポスト構造主義。そしてまた、それらとは全く別な展開をたどったホワイトヘッド、W・ルイス、イシャーウッド、ケストラーなど、英米の文学・思想圏を重ね合わせて、二十世紀の人類の思想的営為を犀利に解剖。
目次
フランス哲学展望
フッサールと進化
マルロー、サルトル、カミュ―実存主義の行方
忘れられた傑作―ホワイトヘッド『記号論』
ミシェル・フーコー、曖昧の権化
フランス的思弁の行方―フーコー批判
デリダ論―息子ロワンの理解のために
デリダを脱構築する
SFと実存主義―個人的思い入れ
現代人を抉る―ムージル『特性のない男』論
ムージルを読む快楽
才能は屈折する―ウィンダム・ルイス論
文学の正統―クリストファー・イシャウッド論
アーサー・ケストラーの大いなる選択