内容説明
〈知〉とは〈眼差し〉による世界認識に他ならず、〈眼差し〉に切り刻まれた微細な断片と化した自然のあくなき所有願望こそ、〈知〉に囚われた近代人の病理と言えよう。文化としての〈眼差し〉の生成と展開を、18世紀より現代にまで通底するピクチュアレスク美学によって検証し、視線に呪縛された今日の思想と芸術の脱構築を計る大胆な評論。
目次
星のない劇場
王権神授のドラマトゥルギー―遠近法の政治学
目の中の劇場―ゴシック的視覚の観念史
庭の畸型学―凸面鏡の中の〈近代〉の自画像
迷宮の言語都市―アンチ・ピクチュアレスクの一形式〔ほか〕