内容説明
進化論は、いま、一方では分子進化学へ、他方では社会生物学へと分極化して、自然というシステムへのアクセスを模索している。競争と自然選択を説いたダーウィニズムから、遺伝子の変異を解析する分子進化学へ、進化論の展開のあとを克明にたどり、問題の所在を的確に描きだした、進化論の最新の地平。
目次
1 進化のイメージ(パンドラの箱;最初の創造;分岐と絶滅1;分岐と絶滅2;偶然と必然;酔歩か直進か1;酔歩か直進か2;黒い蛾の物語)
2 進化論の受容の歴史(日本の「ダーウィン」以後;進化論のブローカー?)
3 変容する進化論(対称性と進化;中立は維持されるか;ラマルキズムは死んだか;回顧と展望)