内容説明
同性愛、サディスム、マゾシスム、少女愛、フェティシスムなど、人はなぜ異性愛とは異なる欲動をもつのか。性倒錯の基本構造を、現代精神分析学の最新成果を駆使し明快に分析する―。日本初のラカン学派による性倒錯構造論。
目次
第1章 男と女―性別の論理式
第2章 男性同性愛の病理
第3章 女性同性愛の病理
第4章 フェティシスムの病理
第5章 死の構造―マゾシスムと死の欲動
第6章 サディスムの病理
第7章 少女愛のアヴァタール―ルイス・キャロル論
第8章 「クルマ好き」の精神病理―日本人とフェティシスム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
7
要するにホモとレズとフェチとマゾとサドとロリコンの理論。精神病における排除(現実界の病理)でもなく神経症における正常な去勢(象徴界への参入)でもなく、否認の機制によって想像的次元に固執する倒錯をフロイト・ラカンで説明。どの章が面白かったかを述べるのは性癖の告白みたいで躊躇してしまうが、倒錯に対して著者が批判的なのは各章末尾から明白。とはいえ日本的倒錯への批判が、幼児的サブカルチャー満載のクールジャパン戦略が世界的に受け入れられている今の社会ではもう古くも見える。現代思想や論壇なんてもはや倒錯だらけだし。2014/06/10
PukaPuka
2
昔はチンプンカンプンだったが、今読むと、性をめぐる精神分析の考え方について、具体例とともに簡潔に書かれている良書であった。2020/07/04