内容説明
妖精、魔女、狼男、聖人、魔術師、英雄、異人、他界、まじない、カーニヴァル、仮装、など、キリスト教とラテン的教養におおい隠されてきた、ヨーロッパ民衆文化の基層に横たわる伝承。
目次
1 フォークロア―過去への窓
2 世界の創造
3 フェアリーテイルと死者の国
4 妖精とその仲間
5 王と英雄
6 奇跡を起こす人々―聖人、予言者、魔術師
7 変身と魔女
8 民間祭事の神話体系
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鳩羽
3
創世とか神々の神話というよりも、民話や風習に残っているフォークロアについての本。ヨーロッパ大陸で存在を信じられている人間以外の存在について、大まかに説明してあり概観するのに適してました。今でこそ子供騙しのように思われがちですが、割に合わないと思うような日常の不幸や不平等の不満を宥めるためのもの、なんだなぁ。2009/10/17
mochi_u
1
原本のタイトルも『European Mythology』ですが、冒頭で述べられている通り、神話ではなく民間伝承フォークロアを主題とした本です。キリスト教が入ってくる以前から存在し、圧倒的な影響力を持つキリスト教の前に失われ、あるいは姿を変えて受け継がれたヨーロッパ各国のフォークロアを、章のテーマごとに分類して出典も添えられたこの本は、読み物としてだけではなく、他の書籍へと繋がるレファレンスとしても活用できると思います。英雄や妖精、魔女や民間の祭事に至るまで、幅広い内容が語られたフォークロアの案内書でした。2014/12/08
nata
0
なんとなく日本でも似た話を見たことがあるような、ヨーロッパ各地のおとぎ話や風習を紹介している。キリスト教の圧倒的な影響下でもこうした話が生き残っている(いた?)のは、何らかの点で人々の要求に応えたからだろう。著者もそのような立場で記述を進めている。2014/09/27