出版社内容情報
わたしたちがある行動を行う前に、そうしようと思う意識が発生しているが、しかしそれ以前に無意識下でそのような行為へと向けた脳活動が始まっている。したがって自由意志は存在しない。このような自由意志をめぐる問題は古くから哲学者によって様々な議論が闘われてきたが、脳科学の発達とともに、昨今その議論に拍車がかかってきている。自由意志が単に否定や肯定の対象を超えようとしている今の最新の論考を特集する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
28
自由の特集ということで借り出した。丸山善宏先生によると、自由意志は創造性の問題と深く関わっている(75頁下段)。科学の基本は、一定の原理の下で現象を説明・理解し、未来を予測するのに役立てるというプロセスにある(77頁下段)。自由を字義通り問うなら、自ら在る理由を問うことなのかもしれない。アイデンティティ、存在証明が自由の元ならば。いろいろな論稿があったが、自分に近い考えのものは見いだせなかった。2021/08/29
バケツ
5
答えの出ない問題をひたすら考える。答えの出ない問題にも色々な派閥がある。2022/11/24
バーニング
2
暴投の青山×岡ノ谷対談と、古田徹也の自由意志の手前の議論、牧眞司のSFにおける自由意志、玉手慎太郎の医療現場における関係的自律とICの論考を面白く読んだ。玉手論考は結論としては穏当なところに落ち着いているが関係的自律概念をICの実践に導入する思考のプロセスが面白かった。2023/08/02
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1
メモ:リバタリアン的自由, 幻想性, 無自由, 意図と意識… リベット批判多め2021/08/18