現代思想 〈2017 12(vol.45-〉 特集:人新世-地質年代が示す人類と地球の未来

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  • サイズ キク判/ページ数 246p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784791713561
  • NDC分類 105
  • Cコード C9410

出版社内容情報

新しい議論、ノーベル化学賞受賞者が提唱した「人新世」とは何か?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

31
桑田学先生によると、人新世とは、最終氷期が終わる1万1700年前に始まる完新世に続く新地質時代の名称(122頁上段)とのことで、本号の特集としての前提となる。イェンセン先生の「地球を考える 『人新世』における新しい学問分野の連携に向けて」で、強調してきたのは、人新世には、環境人文学の登場が示すような、社会科学と人文学 の中で(傍点)新たな連携を生み出す可能性があること、地理学と生態学、人類学、歴史学の間の相互作用が示すような、自然科学と社会科学 を横断する(傍点)新たな連携を生み出す可能性があること2018/01/19

hitotoseno

7
我々が生きている地質年代は完新世だったはずだが、今世紀になって風向きは変わる。1万1700年前に地球は温暖になり人類は発展を続けてきたのだが、1950年ごろを境にそうした進化が度を越してしまったのではないか、と見られるようになった。人口爆発や地球温暖化だけでなしに、人類の生活形態は第二次大戦後激変する。これまでは人間は地球の資源を受け取るだけだったのが、どうやら人間自身が地球に介入する力を強めているようだ……そうした観点からノーベル化学賞を受賞したクルッツェンは最早完新世は終わったと宣言する。2018/02/18

渡邊利道

4
地質学上で、人間が惑星規模で影響を与え出すアクターとなったという時代区分「人新世」が提唱され、それに関する人文系のリアクションの特集。なんといってもダナ・ハラウェイの「クトゥルー新世」の論文と、それを含めたクィア・フェミニズム系の理論状況を紹介する鼎談が素晴らしく刺激的で面白かった。ひとことでいえば、科学的権威に基づく「大きな物語」による回収をいかに逃れるか、という実践=理論的な問題ということになるだろうか。ダナ・ハラウェイは面白いなあ。2018/04/05

misty

3
本誌は「人新世」という地球史において近代以後の人間がやらかした事象がどれだけ影響が大きかったのかという反省的な問題意識によって告発されている。そのため、ブルーノ・ラトゥールやダナ・ハラウェイ、ティモシー・モートンといった現代思想において著名な学者の論文もたくさん収録されている。非常に面白い号だったと思う。2017/12/25

Daimon

3
地質年代はもう完新世ではなく、新たな年代―人新世―に入ったという。このワードを提起したクルッツェンは二酸化炭素の排出の始まった産業革命期がそのスタートとしているが、現在は、核実験などが盛んにされる―すなわち、高濃度のウランが地質に刻まれる―ようになった1945年付近がその始まりとして定まりつつあるという。いずれにせよ、人類の活動が地球規模の時間に刻まれるほど大きくなったということ、そして、バズワード的な気もするが、人間中心ではない視点でどう捉えるのかという問題系は、人文社会学において重要な問題に思われる。2017/12/18

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