現代思想 〈第43巻第13号〉 特集:絶滅

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  • サイズ キク判/ページ数 246p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784791713042
  • NDC分類 105
  • Cコード C9410

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

21
レイ・ブラシエ/星野太訳「絶滅の真理」で、絶滅は、精神と世界の差異を否定する物理的な消滅の予兆である。だがそれはもはや精神の超越の内側にある限界として理解されることはない。消滅とは、意識や代用品に付随する外在性の内在化を 開示、外在化する(傍点)ような、ある別の外在性を意味するから(72頁下段)。気になった言い回し。また、ユージーン・サッカー/島田貴史訳「絶滅と存在についての覚え書き」で、文末訳者附記に重要なことが書いてある。2015/10/28

内島菫

14
メイヤスーあるいは思弁的実在論をもっと知りたくて読む。「絶滅」というテーマは、哲学的にのみ突き詰めていくと袋小路にはまり込みやすいが、生物学や人類学といった自然科学系の流れも並行的に見ていくと、とても面白いとっかかりだと思う。哲学はどのような形の実在論であろうと人間的なものから離れられないように見えるが、自然科学の方は軽々と過去の方向(人類の祖先と別種のヒトとの交雑)においても、未来の方向(宇宙進出に伴い、人類が人類と呼べない身体組織となると予想されること)においても、人間自体を相対化していく。2016/07/11

みみみんみみすてぃ

4
レイ・ブラシエがいっこも分からなかった。ニーチェ論・・・? 自分の読解力のなさゆえ。。2016/01/31

Mealla0v0

1
絶滅とは超越論的仮象すらも破壊するような出来事であり、そこに相関主義哲学の破れ目がある。邦訳未刊行のブラシエの主著の一部が非常に刺激的だが、これは鼎談を読んでからの方が理解しやすいだろう。この鼎談の大澤はなかなかに冴えている。メイヤスー批判(数学の特権化に対する疑義)は頷ける。また、サッカーやモートンの論考は面白い。思弁的実在論に人新世を組み込むことで、人間の活動を物自体のレベルで把握しようとしているのだ。桑田論文でのソディ理解は中沢新一のエネルゴロジーと接続しそうな予感。必然性の全体から抜け落ちること。2018/05/04

ra0_0in

1
なんか世界的に流行している「思弁的唯物論」近辺の思想家の翻訳が中心。「絶滅」を思想の肝に据えるっていうのは真面目な考えでもあるのだけれど、他方でちょっと中二病な衒いがあるのも事実。小学生の頃、太陽の運行について考えていて、今ならカントの超越論的主観とヒュームの経験的自己の対立として捉えるような問題に行き着いたのだが、そうした問題に対する一応の解答を得たのが中学生の頃に「幽霊」が存在することの不/可能性を自分なりに論証してみた時のこと。奇しくも思弁的唯物論者の言うカント的主観の克服は「亡霊論」として読める。2015/10/26

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