感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポカホンタス
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自閉症の現象学について論文を書くために、この雑誌の木村敏・村上靖彦対談を再読。フッサールの現象学は自閉症にぴったりだが、統合失調症の現象学にはハイデガーの存在論的差異の議論がふさわしい、という話があらためて面白かった。自閉症の現象学はまだまだこれからだが、フッサール現象学を精神病理学全体の中で位置付けることも、これからの課題であるように感じた。2020/03/29
ポカホンタス
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木村敏・村上靖彦対談は、現代における哲学の現象学と精神病理の現象学との関連がよくわかる内容だった。統合失調症と自閉症に本質的な違いはないという木村の独自の視点が示されて村上が仰天(?)する場面もあり微笑ましかった。松葉祥一と西村ユミの対談では、西村が現象学的研究に方法論なんていらないという明解な主張をしている点に好感が持てた。現象学的看護研究に期待したい。熊谷晋一郎、綾屋紗月はもちろんのこと、痛みに対しての認知運動療法の話、ダンスを取り入れたリハビリの話、パーキンソン病の生活世界の話などが興味深かった。2010/11/29