感想・レビュー
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Mealla0v0
3
萱野稔人「冷戦中と冷戦後の間」ではD-Gに依拠しつつ土建国家について検討される。公共事業による内需拡大に伴う経済成長を目指すのが土建国家であり、資本を通じて労働力を組織しその成果を税として国家は受け取るという形でうまく機能していた。現在、土建国家は外資と戦争による資本蓄積を目指すように変容している。また、雨宮昭一「岸信介と日本の福祉体制」では、日本福祉国家は戦前からの国家国防派の総力戦体制によって構築されたものであり、社会主義勢力による合意形成ではないために左派の底抜けが起きていると指摘。的確すぎる。2022/12/30