感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
「第二次大戦の後、シュミットは東西冷戦を彼特有の地政学と結びつけることになる…「東西対立の背後には、大陸世界と海洋世界というさらに深い対立、つまり陸と海の対立がある」。シュミットが陸と海という観点から近代国際法の歴史を探求し始めるのは、第二次大戦中の四〇年代初頭である。彼の歴史的探求は、主権国家とそれに基づく国際法秩序が本来は普遍的ではなく、ヨーロッパという特定の空間に根差す「ひとつの歴史的時代と結びついた具体的概念」であった…国家と主権は、16世紀の宗教内戦を克服するためにヨーロッパが産み出した」2021/10/15